藤井聡太棋聖、初防衛へ快勝スタート「自然な気持ちで指すことができた」 棋聖戦5番勝負第1局

[ 2021年6月6日 18:36 ]

第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局、対局に臨む藤井聡太棋聖(右)と渡辺明名人(代表撮影)
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 将棋の第92期棋聖戦5番勝負は6日、千葉県木更津市・龍宮城スパホテル三日月で第1局を行い、後手の藤井聡太棋聖(18)=王位との2冠=が挑戦者・渡辺明王将(37)=名人、棋王含め3冠=を90手で下した。藤井にとって自身初のタイトル防衛戦で幸先のよいスタートを切った。

 振り駒で先手を得た渡辺の示す相掛かりを受けて立った。前回の対局だった2月11日の朝日杯準決勝と全く同じ序盤戦。この時は勝利を飾ったが、最終盤は敗戦寸前まで追い込まれていた。渡辺の緩手に救われての逆転勝ちに局後は「内容が悪い将棋でした」と反省の弁を繰り返すほどだったが、4カ月後の今回も、悪いイメージが残る前例に勇躍飛び込んだ。昼食休憩後、渡辺に8筋を攻められて飛車取りが懸かりながら、連続の手抜きで相手王の近くにと金を作ってリードを奪う。その後は左桂を跳ねる好手を見せるなどポイントを重ね、危なげなく逃げ切った。

 藤井は「自王の危険度が解消されてから抜け出せたと思った。防衛を意識せず、昨年と同じと思っていたが、きょうに関しては自然な気持ちで指すことができました」と振り返った。

 自身初の4冠とタイトル獲得回数30期を目指す渡辺は「長考した場面がポイント。その後まずい変化になり、一気にダメになったのは残念」と話した。これで藤井戦は3連敗。通算でも1勝6敗となった。

 第2局は18日に兵庫県洲本市のホテルニューアワジで行われる。

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2021年6月6日のニュース