朝ドラ「エール」全話数や最終回放送日「検討中」コロナ禍 収録ペース2割減…脚本も修正 まだ完成せず

[ 2020年9月1日 08:15 ]

連続テレビ小説「エール」後半のメインビジュアルは「音楽に向き合う姿と2人の絆」がテーマ。(左から)ヒロイン・二階堂ふみ、主演・窪田正孝(C)NHK
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 俳優の窪田正孝(32)が主演を務めるNHK連続テレビ小説「エール」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は今月14日、第14週&第66話から約2カ月半ぶりに放送を再開。このほど再開初週となる第14週の試写会が行われ、制作統括の土屋勝裕チーフプロデューサー(CP)が取材に応じた。全放送回数や最終回の放送日については、コロナ禍の収録状況を見ながら「まだ検討中です」とし、脚本も最終回まで完成していないと明かした。「エール」最終回の放送日は、女優の杉咲花(22)がヒロインを務める次回作(103作目)「おちょやん」のスタート日と連動することもあり、検討が重ねられている。

 朝ドラ通算102作目。男性主演は2014年後期「マッサン」の玉山鉄二(40)以来、約6年ぶり。モデルは全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」などで知られ、昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏(1909~1989)と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏。昭和という激動の時代を舞台に、人々の心に寄り添う曲の数々を生み出した作曲家・古山裕一(窪田)と妻・音(二階堂ふみ)の夫婦愛を描く。

 3月30日にスタートし、当初は9月26日が最終回、全26週&130回の予定だった。新型コロナウイルスの影響により、収録は4月1日から2カ月半休止し、6月16日に再開。当初の予定通り放送すると12月11日が最終回になるが、土屋CPは「第何週、第何話で終わるのかということは、収録の状況を見ながらという形で、まだ検討中です」と答えた。目下、第19週を撮影している。

 「マスクを外して、メイクを直して、本番」など、コロナ対策をしながらの撮影は時間がかかり「通常の収録ペースの2割ぐらいダウン」。そのため、テイク数(本番の回数)も減らしているが、従来のペースの収録は難しく「現実的には(撮影は)結構大変。なので、まだ検討中です」と説明。コロナ対策として「群衆で歌うシーンは無理かなといったように、少しずつ台本を修正したりしていますので、まだ最終回まで本はできていません」と明かした。現在、第22週の脚本作りが進んでいる。

 ただ、窪田と二階堂については「2カ月半のブランクを全く感じさせず、裕一と音として現場に戻ってきていただきました」とし「コロナが拡大して、いいことは何もないんですが、おかげさまで、視聴者の皆さんから『早く放送を再開してほしい』『本数を減らさずに、最後まで放送してほしい』という声を頂き、出演者もスタッフも『頑張ろう』『早く続きをご覧いただきたい』という気持ちになっています」と2人の思いを代弁した。

 裕一に大きな影響を与える大御所作曲家・小山田耕三を演じるコメディアン・志村けんさん(享年70)は3月29日、新型コロナウイルスによる肺炎のため亡くなった。ドラマが順調にスタートした30日朝、初回放送終了から約1時間半後に伝わった悲報だった。

 土屋CPは「窪田さんも志村さんとは3週間前ぐらいに共演されていて、非常にショックを受けられていました。出演者もスタッフもコロナの怖さを痛感しましたので、収録を再開するにあたっては、どういう動きをすればスタジオが密にならないか、スタッフだけでシミュレーションをしたり。出演者の皆さんに安心して撮影に臨んでいただける準備をしました。リハーサルはフェイスシールドを着用していただいていますが、自分の声がはね返ったり、相手の声が聞こえにくかったり、見ていて本当にやりにくそうです。早く普通の収録に戻れればいいと思います。物語は戦争に入りますが、裕一と音を見ていると『この夫婦、いいなぁ』と感じていただけると思いますので、是非、視聴者の皆さんにも楽しんでいただければ、うれしです」と願っている。

 6月27日の第13週振り返りの放送をもって一時休止に入り、6月29日に初回からの再放送“2周目のエール”がスタート。キャストが役として解説放送(副音声)を行う朝ドラ異例の試みを実施している。

 再放送は9月11日(第65話)に終了。放送再開に先立ち、9月12日午前8時から特番「いよいよ来週から!連続テレビ小説『エール』再開SP」。窪田と二階堂の対談などがオンエアされる。

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2020年9月1日のニュース