NHK大河、なぜ再び近現代? CP「時代が動く変革の時期を描きたい」 1万円札決定も後押し

[ 2019年9月9日 19:41 ]

2021年NHK大河ドラマ「青天の衝(つ)け」制作・主演発表会見に出席した、主演の吉沢亮
Photo By スポニチ

 NHKは9日、2021年大河ドラマの主演が俳優の吉沢亮(25)に決まったと発表した。タイトルは「青天を衝(つ)け」で、24年度上期に20年ぶりに刷新される一万円札の肖像になり、「日本資本主義の父」と呼ばれた実業家・渋沢栄一(1840~1931)の生涯を描く。脚本は大ヒットした15年後期の連続テレビ小説「あさが来た」などで知られる大森美香氏が務める。

 描くのは幕末から明治時代にかけての物語。制作統括の菓子浩チーフプロデューサーは「今、少子化、高齢化、格差の問題とかいろんな不安がある中で閉塞感を感じている方もいると思う。そんな時代だからこそ、幕末から明治にかけて、大きな時代が終わって新しい時代が始まる、大きな時代のうねりを描きたいと思って、その時代にした」と説明。さらに、大森氏も「得意とされている時代」だとしたうえで、「バッと時代が動く変革の時期を描きたいと。他の時代も考えたが、早い段階で幕末にしぼっていました」とした。

 渋沢が一万円札の肖像に決まったことも影響しているか?という質問も飛んだ。菓子氏によると、大森氏に脚本を依頼したのは1年半ほど前だったとし、その後、「あらゆる時代をあらってみましょう」と勉強会をしたといい、「その中(リストの中)に渋沢栄一さんも入っていた。もともと渋沢さんも考えてはいたが、お札の発表が後押しにはなった」とお札決定も理由の1つであることを認めた。

 放送中の「いだてん」視聴率が苦戦していることを踏まえ、大河ドラマでは近現代は視聴率を取りづらいという見方もある。その点に関しては「本当に数字的な、マーケディング第一の発想で作っていたら、2回連続の戦国のほうが当たるかもしれない」と本音も。「でも、それも本当に当たるかも、誰にも分からない。後からみたらそうだったというだけの気もする」としたうえで、「数字を気にしないと言えばウソにはなるが、私たちができることは本当にいいものを作っていくことしかない。まだ、放送は2年先だが、できるだけ多くの方に届けることしか作り手としてはない。中身で頑張っていくしかない」と力を込めた。

続きを表示

2019年9月9日のニュース