再びの国際舞台に“よこがお”も輝く!

[ 2019年8月2日 08:30 ]

美しい“よこがお”で作品をアピールする筒井真理子(撮影・島崎・忠彦)
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 【佐藤雅昭の芸能楽書き帳】8月7日から17日までスイス南部、イタリア語圏のティチーノ州で第72回ロカルノ国際映画祭が開催される。1946年に産声をあげた映画祭で、新鋭から巨匠まで、芸術性の高い作品が集うことで知られる。

 グランプリは68年から「金豹賞」と呼ばれているが、今年は筒井真理子(年齢非公表)主演の「よこがお」(公開中)がエントリーされ、最高賞を狙う。筒井にとっては2016年のカンヌ映画祭(仏)「ある視点」部門で審査員賞に輝いた「淵に立つ」に続いての国際舞台。深田晃司監督(39)からの熱烈ラブコールを受けて再タッグが実現した話題の1本だ。

 ロカルノへの参加に「自由の精神を70年以上持ち続ける映画祭。大変誇らしく、どのような感想や意見に出合えるのか、今からとても楽しみです」とコメントしている。

 前作「淵に立つ」では第71回毎日映画コンクール(16年)でも女優主演賞を射止めた筒井に話を聞いた。今作で演じたのは理不尽な運命に翻ろうされる訪問看護師の「市子」。予期せぬ出来事に加え、思わぬ裏切りもあってすべてを失った彼女は髪を染めて「リサ」に変身。静かに復讐を仕掛けていく。淡々とした演技が逆に凄みを醸し出し、2つの違った“よこがお”で観客を幻惑する。

 時間軸が交錯しながら描かれた。「一番大変だったのは市子の追い込まれ方だったかな。ある程度は時系列で撮ってくださったんですけど、自分で台本に“どのくらいのしおれ加減”というのを記入しておいて、前半は健やかなので、きょうは食べておこうとか、後半に来ると、疲弊していくから、ちょっと食事を抜きにしてくたびれようか…といった具合に作っていった」

 市子が看護に通う家の長女・基子を市川実日子(41)、2人の女性の間で揺れ動く青年を池松壮亮(29)が演じた。ともに確かな演技力で知られるだけに、心理戦や互いの駆け引きが面白い。

 「最初は妹のようにかわいいし、慕ってくれることがうれしかったけど…」と語る市川とのモニター付きインターホンを使った対峙(じ)場面は斬新で緊迫感がひしひしと伝わってきた。「池松さんとの絡みのシーン。ずいぶん私が年上だから、本当にごめんなさいって気持ちでした」と笑わせた。

 雨中の撮影となったクライマックスの湖のシーン。「スタッフの皆さんも傘をささず濡れたまま。作品への愛情を感じ、感動しました」と振り返る。

 若い人に見てもらいたいという。「私が中学だったか高校だったかの時に遠藤周作さんの『わたしが・棄てた・女』(64年)をちょっと背伸びをして読んだ。大人の男女の機微、贖罪(しょくざい)とかってわからないじゃないですか。けれども、そういうのって不思議と(心に)残るんですよ。凄く新しい映画だと思う。ぜひ若い人に追体験してもらいたい。観客の皆さんに一緒に船に乗ってもらって、一緒に旅してもらって、一緒に泣いて笑って、そして叫んでもらいたい」

 筒井はそう言って表情を引き締めた。ロカルノでは8月8日に公式上映される予定だ。

 さて、古くは54年に衣笠貞之助監督の「地獄門」がグランプリに輝き、07年には小林政広監督(65)の「愛の予感」に金豹賞が贈られるなど、日本とも縁浅からぬロカルノ映画祭。「よこがお」の他に、黒沢清監督(64)の「旅のおわり世界のはじまり」(公開中)がクロージング作品として招待された。日本人監督として初の栄誉。舞台で歌うことを夢見るテレビ番組のリポーターが、取材で訪れたウズベキスタンの人々との出会いを通して成長していく物語。日本とウズベキスタンの国交成立25周年を記念した合作で、黒沢監督と主演の前田敦子(28)が参加予定。約8000人を収容するヨーロッパ最大の屋外スクリーン「ピアッツァ・グランデ」での上映。監督とともに参加予定の前田あっちゃんにとっても特別な1日になりそうだ。

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