「集団左遷」本部編 日曜劇場“十八番”重厚感を増して終盤へ!異動片岡の仕事観「突き詰め」“自然と”

[ 2019年6月16日 07:00 ]

第2章に入り、重厚感を増してきた日曜劇場「集団左遷!!」第9話の1場面(C)TBS
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 歌手で俳優の福山雅治(50)が主演を務めるTBS日曜劇場「集団左遷!!」(日曜後9・00)は16日、第9話が放送され、物語は佳境に近づく。

 “平成最後にして令和最初”の同局看板枠。作家・江波戸哲夫氏の「新装版 銀行支店長」「集団左遷」(講談社文庫)を原作に、行員をリストラから救った三友銀行・蒲田支店の支店長から本部の融資部部付部長に異動した片岡(福山)と、人事担当の常務取締役から専務に昇格した横山(三上博史)によるバトルがさらに熱を帯びる。

 第9話は、懸命の調査の末、横山専務(三上)の裏金づくりを暴き出した片岡(福山)。しかし藤田頭取(市村正親)が裏切で、証拠となるリストから横山の名前は消されてしまっていた。外資系インターネット通販「ダイバーサーチ」との資本提携のカギを握る横山との取引に応じた藤田頭取の真の狙いとは――。藤田頭取に裏切られ、憤る片岡だが、不正の新たな証拠をつかむべく、再始動。巨大外資との提携による大規模な合理化とリストラの大波が押し寄せる中、滝川(神木隆之介)ら元蒲田支店メンバーが立ち上がる。不正に築き上げられる会社の未来に、真正面から勝負を挑む片岡たち。そして、起死回生のチャンスが意外な人物からもたらされる…という展開。

 第7話(6月2日)から第2章「本部編」がスタート。コミカルさもあった第1章「蒲田編」に比べ、重厚感がアップ。銀行内の人間関係が複雑に絡み合い、二転三転の心理戦が展開され、視聴率も第8話(6月9日)は前週から大幅2・5ポイント増の11・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と調子を上げてきた。最終回(第10話、6月23日)へ期待が高まる。

 同局の飯田和孝プロデューサーは「最初から第2章は本部編になることは決めていたことで、特に重厚にしようという意識はなかったのですが」と断りながらも「片岡は蒲田支店で支店長という立場で引っ張らなきゃいけない、ある意味“お山の大将”的なポジションにいて、道化師ではありませんが、当然、リーダーとして皆を鼓舞するために『頑張ろう』と言ってきました。それが、本部に異動して組織の中の一員になることによって、上司がいて、お客様もいるという環境に囲まれます。そこで『どう生きていくか』『自分が果たすべき銀行員としての役割が何か』など、考えることが増えるんです。片岡が銀行員として持っている情熱や、ノルマ達成よりも一貫してお客様のために一番正しいことをするということは第1章のラスト、第6話で描きましたが、そこを突き詰めていった結果、より銀行員としての本質が表れたというイメージです」と説明。

 その上で「扱う題材が変わり、片岡自身にも上司がいて仕事を任される立場や、ポジション的なものも支店長の時よりも落ち着いた片岡の一面を切り取ることになっているので(重厚感は)そういうことなのかなと思っています。ただ、片岡のキャラクターやセリフの感じは特に変わっておらず、一貫しています」と強調。日曜劇場“十八番”の重厚さはストーリー展開とともに自然と生まれたと解説した。

 テーマは「自分たち(蒲田支店)が生き残る」から「三友が生き残る」が中心に。「三友銀行という会社の中で、自分がどう生きていくか。片岡をはじめ、それぞれが抱えるテーマが大きくなります。ひいては『仕事とは?』『お客様と向き合うこととは?』といったものが隣り合わせにあるというのが『集団左遷!!』の後半戦なのかと思います」。視聴者にとっても示唆に富んだ終盤戦になりそうだ。

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