11年間の成長見せた大谷翔平 花巻東・佐々木洋監督「感謝の気持ちでいっぱい」

[ 2023年3月23日 07:30 ]

花巻東高校・佐々木監督
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 花巻東(岩手)時代の大谷の恩師、佐々木洋監督は、世界一を祝福した。

 「日本のこれからの野球を左右する大事な大会で、優勝してくれたことがうれしく、そして感謝の気持ちでいっぱいです。これまでの野球の非常識をこれからの野球の常識に変え、人の可能性を広げ、無限大にしたその影響はあまりにも大きい。これからの野球界、そして子供たちのために夢を与え続け、手本となる選手でいつまでもいてほしい」

 高校時代、故障がちだった大谷。佐々木監督は骨の成長が止まっていないことに着目し、選手の前でこう言った。「俺は翔平を特別扱いするよ。ケガを治すために、この時期は睡眠が一番のトレーニングになるんだから」と練習を早めに切り上げさせ、睡眠時間を確保させた。スケールの大きい選手に。その思いが強かった。

 佐々木監督が生徒や子供たちに伝える言葉がある。「勉強ができるようになりたかったら、頭のいい子のそばにいけばいい。野球がうまくなりたかったら、うまい人のそばにいけばいい」。今大会の侍ジャパンでは、メジャーリーガーのダルビッシュや大谷が、チームの「先生役」だった。若い選手たちは「野球がうまい人」のそばに寄っていった。大谷は投打で、そういう存在だった。

 佐々木監督は11年前、「勝てる投手に育てることができなかった」と悔しそうな表情で大谷をプロの世界に送り出した。大谷は甲子園に2度、出場したが、いずれも初戦で敗れていた。WBC決勝が行われた現地の3月21日。ちょうど11年前、選抜1回戦で大谷が大阪桐蔭に敗れた日だった。11年が経ち、大谷は勝てる投手に成長した。佐々木監督にとっても、特別な世界一だった。(川島 毅洋)

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2023年3月23日のニュース