センバツ初勝利の専大松戸 151キロ右腕平野が高校初完封「自信になる」

[ 2023年3月23日 05:25 ]

第95回選抜高校野球大会第5日・2回戦   専大松戸3-0常葉大菊川 ( 2023年3月22日    甲子園 )

<専大松戸・常葉大菊川>9回2死二塁、専大松戸・平野は常葉大菊川の代打・赤堀を三ゴロに抑えガッツポーズ (撮影・後藤 大輝) 
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 2回戦3試合が行われ、今大会の出場選手で最速を誇る専大松戸(千葉)の151キロ右腕・平野大地(3年)が完封勝利を挙げ、常葉大菊川(静岡)に3―0で快勝。変化球を駆使して最後まで的を絞らせない新スタイルで、チームを選抜初勝利に導いた。

 侍ジャパンが米マイアミで14年ぶりに世界一を奪還した日に、約1万2000キロも離れた甲子園のマウンドで未来の侍エース候補である平野が堂々の投球を披露した。練習試合も含め初の完封。「(侍ジャパンと)同じ時間帯に試合ができるのも、なかなかない経験。そういう日に勝てたのも何か縁があると思う」と目を輝かせた。

 最速151キロを誇る直球に注目が集まるが、この日は新スタイルを見せた。初回の先頭打者は123キロのスライダーで空振りを奪うと2球目は98キロのカーブで一ゴロ。冬の期間に習得したフォークも駆使した。勝負どころでは146キロを計測した直球で押し込む力強さも披露。6度も得点圏に走者を背負い、途中で両足がつるトラブルにもめげずに132球を投げきり「甲子園での完封は自信になった」と胸を張る。

 すでにメジャーも注目する逸材だ。2月下旬に松戸市内の練習場をカージナルスの大慈彌功日本駐在スカウトが視察。約30球のブルペン投球に熱視線を注ぎ「体ができてくれば155キロは出る。変化球と直球の腕の振りが変わらない。中日の高橋(宏)みたいなタイプ」と最年少で侍ジャパン入りした右腕の名を出して評価していた。日本代表の戦いは時間が許す限りテレビ観戦している平野は「投手陣の気迫のこもった投球は見習うべきだと思った」と言う。トップチームから刺激を受け、いつかは代表入りする未来を思い描く。

 高校で捕手から投手に転向したのは甲子園のマウンドへの憧れから。夢をかなえ、成長の跡も示したエースについて持丸修一監督は「今までは1点か2点は取られていた。よく辛抱した」と納得顔だ。74歳の指揮官は他校での指揮を含め春夏通算11度も甲子園大会に出場しているが、同じ大会で2勝以上を挙げたことがない。「次も勝ちたい」と平野。次戦も恩師、ナインへの思いを白球に込める。 (村井 樹)

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2023年3月23日のニュース