侍・栗山監督 追加招集のソフトバンク・牧原大は誠也の“代役”じゃない「絶対的な切り札」期待

[ 2023年3月2日 05:05 ]

国際球でキャッチボールを行う牧原大(撮影・中村 達也)
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 日本野球機構(NPB)は1日、ソフトバンクの牧原大成内野手(30)を侍ジャパンに追加招集したと発表した。左脇腹を痛めて出場辞退したカブス・鈴木誠也外野手(28)の代替選手としての緊急招集。栗山英樹監督(61)は招集理由に、内外野守れるユーティリティープレーヤーとしての能力、コンディションの良さを挙げた。背番号5に決まった牧原大は、5日にチームに合流する。

 鈴木の代わりではない。追加招集となったのは鈴木の出場辞退によるものだが、栗山監督は牧原大は決して“代役の選手”ではないことを強調した。「鈴木選手の代わりは日本の球界には、そういうタイプはいないので。本当にそういうことではなく、今のメンバーに誰が加わったら一番幅が広く、一番勝ちやすい形になるのか」。それを考えたときに、名前が挙がったのが牧原大だった。

 「どんな状況にも対応できて、本当に幅を広げてもらうという意味で牧原選手は能力の高い選手だし、こっちも信頼している。それが今の一番勝ちやすい形だと思って決めた」

 内外野を守れ、足もある。日本ハムの監督時代から対戦相手として遊撃、二塁での質の高いプレーをずっと見てきた。そして中堅手としても「守備のスピード、判断はみんなが分かっている通り」と高く評価。1月の最終メンバー30人の選考では漏れたが、そのユーティリティー性が侍ジャパンに不要だったわけではない。チームの構成上で外れただけで、鈴木という右の大砲が欠けた今、外野登録全5選手が左打者となるが、貴重なピースとなると判断。「(試合の)後からでも先からも行ける。大きくチームが(試合を)動かそうとしたときには絶対的な切り札になっていく。物凄く作戦の幅が広がったのは事実」と続けた。

 2月25、26日の壮行試合ではソフトバンクの1番・中堅で先発出場。特に25日の初戦では、華麗なダイビングキャッチに佐々木朗から安打するなど躍動した。このとき、栗山監督はコンディションの良さを確認。「何かあったら頼むよ」と声をかけている。その4日後に“何か”が起こったことで牧原大に白羽の矢を立てた。
 最後に栗山監督は言った。「この状況になったら牧原が必要なんだというだけ」。代役などではない。侍ジャパンに貴重な「切り札」が加わった。(秋村 誠人)

 ◇牧原 大成(まきはら・たいせい)1992年(平4)10月15日生まれ、福岡県出身の30歳。城北から10年育成ドラフト5位でソフトバンクに入団。2年目の12年6月に支配下登録された。14年7月22日のロッテ戦でプロ初安打。同年オフに台湾で開催された21U野球ワールドカップに鈴木(広島、現カブス)らと出場。日本代表の主将を務め、鈴木とともにベストナインに選出された。初出場した昨季の球宴第2戦で2安打。1メートル72、73キロ。右投げ左打ち。

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