【大野豊氏 直撃インタビュー(上)】広島・大瀬良、エース譲らない!防御率「2点台前半にしたい」

[ 2023年3月2日 07:01 ]

大野豊氏の激励を受ける広島・大瀬良 (撮影・奥 調)
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 オープン戦が本格化し、開幕の足音が近づく3月。春季キャンプを終えたばかりの広島・大瀬良大地投手(31)を、本紙評論家の大野豊氏(67)が直撃インタビューした。5年連続開幕投手を務める選手会長は、節目の10年目に懸ける思いと手応えを吐露。ローテーションを守り抜いて防御率2点台前半を目指し、エースの座は譲らない決意を新たにした。(構成・江尾 卓也)

 大野 ここまでの状態はどうですか?

 大瀬良 凄くいい状態できていると思います。投げたい球を投げられるようになっていますので。実戦を重ねる中で、より良い状態に仕上げていけたら…と思っています。

 大野 今春キャンプに臨む上で、どんな課題やテーマを?

 大瀬良 20年に右肘を手術し、体を絞ってやろうとしたことで真っすぐに力がなくなり、昨季は凄く苦しい思いをしました。なのでもう一度、強い真っすぐを取り戻す。体重を増やしたり、強さを取り戻す取り組みをやってきました。

 大野 キャンプを通じて成果を感じる。

 大瀬良 凄く手応えを感じています。ボールに強さが出てきていますし、この時期に球速が150キロを超えるのはキャリアの中でもなかった。

 大野 気持ちの部分でも変わったんじゃない?いい意味で自信というか…ね。

 大瀬良 はい。先日(2月25日)の巨人戦に投げたんですが…。
 大野 うん。拝見しましたよ。

 大瀬良 昨季まではカットボールやスライダーをよりコースに集めないと、真っすぐを使える自信がありませんでした。でも、直球が走っていれば甘く入ってもファウルが取れるし、変化球への打者の反応も変わる。真っすぐありきだな…と改めて感じました。

 大野 じゃあ、今季は真っすぐ軸に変化球を生かす投球を。
 大瀬良 はい。巨人戦で感触がつかめたので、そのスタイルで1年間投げ切れるように…と思っています。

 大野 その巨人戦後に、新井監督から開幕投手を伝えられた…と。5年連続。凄く名誉なことだよね。

 大瀬良 本当に光栄です。ここ数年は離脱してしまった悔しさしかないので。僕が開幕戦に投げて以来、Bクラスが続いているんですね。感じるものがありますし、何とか覆したいと思います。

 大野 責任感が凄く強い。選手会長だしね。その肩書は負担になっていない?

 大瀬良 シーズン終了後に会沢さん、秋山さんが“もう少し自分のことを考えてやっていい。俺たちが負担を分散し、支え合っていけたらと思うから”と言ってくださり、その言葉が凄くありがたくて。(選手会長)2年目はもっと腰を据えてやっていけると思いますし、若い選手が多いのでやりやすい環境の中で上を目指したいと思います。

 大野 1年間ローテを守ることを前提とした時、今季は何にこだわる?勝ち星?

 大瀬良 目に見える一番は勝ち星だと思いますが、防御率2点台が僕は1度(18年)しかないんです。その数字を下げられたら勝ち星も増えると思いますので、そこにこだわりたいと思います。
 大野 カープのエースは僕だ…と。自覚は当然あるでしょ?

 大瀬良 はい。ここ数年がうまくいっていないので、心の中で揺らぐものが正直あるんですけど(苦笑い)。

 大野 (笑い)。

 大瀬良 でも、簡単に譲っていいものではないと思いますし、しっかりと目に見える数字で、まだまだ大地さんには及ばない…と感じてもらえるように。1年間ローテを守ってチームを勝ちに導きたいと思っています。

 大野 防御率にこだわる中で目標は?

 大瀬良 2点台の真ん中を切り、2点台前半にしたいですね。 (下に続く)

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2023年3月2日のニュース