【大野豊氏 直撃インタビュー(下)】広島・大瀬良、オフは体のメンテ重点「柱」として1年間投げ抜く

[ 2023年3月2日 07:02 ]

大野豊氏(左)と対談する広島・大瀬良 (撮影・奥 調)
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(直撃インタビュー上から続く)

 大野 昨季は8勝9敗、防御率4・72。相当に打たれたイメージがあるんじゃない?

 大瀬良 はい。

 大野 僕も先発をやった時に1度、4・06(85年)がある。それでもむちゃくちゃ打たれた感じだもんね。

 大瀬良 アウトを取った記憶がないくらいです(苦笑い)。

 大野 昨季は2度の離脱があった。右肘手術以降は、1年を通して投げ切れないシーズンが増えている。体調面でオフやキャンプで変えたこと、取り組んだことはある?

 大瀬良 例年だと、オフはたくさん走り、たくさん鍛えて…というふうにやってきました。ただ、ここ数年はケガでの離脱が増えているので、体のメンテナンスに人よりも時間を割かないと、通年してやっていける体ではないのかな…と。

 大野 なるほど。

 大瀬良 なのでランニング量を減らし、その分、体のコンディションを整える時間やメンテナンスの時間に充てるようにしています。ま、でも、シーズンに入ると疲れが出たりして状況が変わると思いますけど…。

 大野 そうだね。

 大瀬良 トレーナーさんと、その時その時でより深いところの話をしながら、うまく対処していければいいかな…と思います。

 大野 経験しないに越したことはないけど、そういう苦い経験をしたことで、改めて気付くこともあったと思う。それをプラスに生かしてほしいね。

 大瀬良 そうですね。起きてしまったことはいい経験として、あの離脱があったらから元気に投げられているとか、より成長した姿を見せられている…と思えるように、やらなきゃいけない。そうなるには、今年の一年をしっかり投げてこそ。あの苦い経験があったから今がある…と言えるように、一つ一つの作業をこなしていきたいと思います。

 大野 その関連で言うと、新井監督は(投手に)無茶はさせない。球数を考えて起用していく…という新聞記事を読んだ。大瀬良投手が“ありがたい”と反応した記事も。

 大瀬良 お話の通りで、開幕から長いイニングや130球を投げさせることはしない。1年間通して考え、こちらがマネジメントしていくようにする…と言ってもらいました。理想は先発完投ですが、開幕戦で完投120球投げたシーズンは途中でへばることが多く、あまりうまくいっていない。完投を目指したいけど、そこは割り切らないといけないのかな…と思います。

 大野 そうだね。

 大瀬良 6回100球でいくことが正解になるかは経験がないので分かりませんが、何かを変えないと難しいかな…と僕自身も考えていたので、思いが一致し、お願いします…と伝えました。ただ、夏場の大事な試合は長いイニングを投げてもらうかも…という話もあったので、その時は頑張ります…と。

 大野 立ち位置からすれば、120球前後で完投、完封する試合もつくってほしいけどね。リリーフ陣の負担を軽減するという意味でも…ね。

 大瀬良 はい。

 大野 早くも…というか、今年で節目の10年目を迎える。10年間に何か思いは?

 大瀬良 やっている時は長いと感じますけど、振り返った時は、早いな…と思うことがありますかね。この年齢になってくると…。

 大野 いや、まだまだ若い(笑い)。

 大瀬良 そうですよね(大笑い)。

 大野 チームの年長者でもまだ中堅。かなりいい調整ができているようなので、ぜひ実りのシーズンにしてほしい。最後にファンの方にメッセージを。

 大瀬良 ここ数年は交流戦あたりから尻すぼみになるシーズンが続いています。1年間やって初めて、大瀬良は良かった…と言ってもらえると思うので、ファンの皆さんの印象をいい意味で覆し、まだまだ柱としてやってもらわないといけない…と思ってもらえるように、しっかり頑張りたいと思います。

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2023年3月2日のニュース