大谷 世界一奪回へグローブぶらさげ帰国!9日開幕戦VS中国戦の先発任せた!

[ 2023年3月2日 05:05 ]

羽田空港に到着した大谷(撮影・小海途 良幹)
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 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場するエンゼルスの大谷翔平投手(28)が28日(日本時間1日)、アスレチックスとのオープン戦に先発し、2回1/3を無安打無失点と好投した。直球は最速98マイル(約158キロ)をマークし、全球種を投げた。WBCでは日本代表の初戦となる中国戦(同9日)の先発が濃厚。試合後にチャーター機に乗り込んで帰国した二刀流右腕が、いよいよ侍ジャパンに合流する。

 アリゾナ州メサでアスレチックス戦のマウンドに上がってから約17時間後。日本時間の午後10時過ぎ、大谷を乗せたチャーター機が羽田空港に降り立った。

 一般客とは異なる場所で入国審査手続きを終え、出迎えた車へ乗り込んだ。大リーグのスーパースターならではのVIP移動。一方で、眠そうな表情や寝癖のようにはねた髪形、試合用と同じグラブをバッグに入れず「裸」のままぶら下げて歩く様子は、野球少年の姿だった。WBC初戦まで、あと1週間。日本が誇る二刀流右腕が、14年ぶりの世界一を奪回するための準備を終えて帰ってきた。

 WBC前、投手として唯一の実戦でもあったオープン戦登板。回を追うごとに躍動感が増した。3回。「よいしょ!」と叫びながら放った剛球は、最速98マイル(約158キロ)を2度マーク。「1球ぐらい100マイル(約161キロ)が投げられればいいかなと思っていたけど、98マイルまでいったので良かった」と喜んだ。初回は7球で3者凡退。2回は四球の後にスライダーで空振り三振、スプリットで遊ゴロ併殺に仕留めた。2イニングで22球と予定より少なく、打者2人限定で続投。全球種を試し、「基本的にどの球も良かった」。降板時には敵地ながら、この日一番の歓声を浴びた。

 米6年目でオープン戦初戦の無失点は初めて。WBCに備えた仕上がりの早さを感じさせた。9年ぶりに実現した藤浪との投げ合いにも、「あまり(相手投手の投球を)見ないタイプなので」と自身の投球に集中。「今日まで体調良く、しっかり(日本代表に)合流できそうなので、それが一つまず、いいところ。ここまで順調に来ているというのが自信になる」と語った。

 かねて侍ジャパンの栗山監督は、「基本的には準々決勝から逆算する」と話していた。そのため、10日(日本時間、以下同)の韓国戦から16日の準々決勝に臨むプランが浮上していたが、この場合は中5日。より万全な形で一発勝負の準々決勝に臨むため、9日の中国との初戦に臨むことが濃厚となった。

 「(WBCは)出たいなと思っていた大会。前回(17年大会は右足首痛で)出られなかっただけに、凄く楽しみにしている」。投打で準備は万全。満を持して侍ジャパンに合流する。(柳原 直之)

 ≪初戦相手の中国は世界ランク30位≫中国代表は、現在日本が1位の世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のランキングで30位。WBCでは初の1次ラウンド突破を目指す。大リーグ傘下に在籍経験があるのは、4大会連続出場となる39歳の内野手レイ・チャン(元レッズ傘下)と、25歳右腕アラン・カーターの2人。カーターは今年1月にエンゼルスとマイナー契約を結んだ。元ソフトバンクの外野手・真砂勇介も名を連ね、高校時代に東海大菅生でプレーした外野手・梁培(リョウバイ)は、調布シニアでは1学年下の清宮(日本ハム)とチームメートだった。

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