仙台大女子硬式野球部の挑戦 4月の創部に向けて腕磨く 入沢裕樹監督「選手の力に」

[ 2023年2月27日 16:59 ]

(左から)浦山萌衣さん、入沢裕樹新監督、木明(きみょう)桜子さん(撮影・柳内 遼平)
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 今年4月に正式に創部する仙台大女子硬式野球部が27日、宮城県角田市の同校野球場で行った自主練習を公開した。

 仙台六大学野球連盟に所属する強豪の男子硬式野球部が使用している人工芝のグラウンド。ゆっくりと夕日が落ちる中、遊撃手の位置でノックの打球を軽快にさばいた浦山萌衣(もえ)内野手(1年・山形北)は「今までやってきた環境と違って新鮮な気持ち。凄く貴重な体験だなと思います。(男子)野球部さんは凄い人たちばかりなので、同じ施設で練習できることは光栄です」と目を輝かせた。男子硬式野球部には同じ遊撃手で今秋ドラフト候補の辻本倫太郎内野手(3年)ら有力選手がひしめく。

 小学校では軟式野球、中学、高校ではソフトボールをプレー。初体験の硬式野球に「硬球がバットに当たった瞬間はソフトボールに比べると軽くて飛んでいく感じがする。体が大きくない方なので、ずっと飛距離で悩んでいたんですけど硬球は気持ちよく打てる感じがします」。1メートル57の細身から快音を響かせて白球を外野まで運ぶ。

 4月の全体始動に向けて、新4年生1人、新2年生4人、入学生10人の計15名が入部予定。今後は大学施設、柴田町、角田市、白石市の施設を使用して練習を行う。08年から男子硬式野球部を指導してきた入沢裕樹新監督(40)は「高校で女子硬式野球が多く立ち上がっている中、大学ではまだまだ数が多くない。受け皿ではないですが、“大学でも硬式野球がやりたい”という選手の力になりたかった」と創部の経緯を語る。今後は東北女子野球リーグ、5月、8月に行われる全国大会で熱戦を繰り広げる。指揮官は「野球が好きな女子学生は多いと思いますので盛り上がりに加わっていきたいと思います」と言葉に力を込めた。

 木明(きみょう)桜子さん(1年)はアナリストとしてチームに加わる。相手チーム、自チームのパフォーマンスデータを分析してチームの成長、戦術利用につなげるアナリストの仕事。高校時代は女子硬式野球選手だったが、「選手としては高校でやりきった。スポーツ情報マスメディア学科で分析関係を学んでいるので、アナリストとしてチームの役に立ちたいと思いました」と新しい形で野球に関わることを決意。「まずはチームとして活動していけるように自分たちの情報をしっかり集めたい」と選手の課題を探る考えだ。

 入沢監督は「大学日本一を掲げながら卒業後に社会で通用する人材を育成できるような形にしていきたい」と青写真を描く。歴史をつくる15人。仙台大女子硬式野球部の挑戦が始まる。
(柳内 遼平)

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