侍・周東 スピード生還 同点9回2球で決勝点 5回には3球で同点演出 切り札の役割果たした

[ 2023年2月27日 05:00 ]

壮行試合   日本代表4-2ソフトバンク ( 2023年2月26日    サンマリン宮崎 )

<ソ・侍>9回、盗塁した周東は相手の悪送球の間に三塁まで進む(撮影・尾崎 有希)
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 侍ジャパンは26日、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けソフトバンクと壮行試合を行い、逆転勝利で2連勝を飾った。同点の9回に周東佑京内野手(27)が二盗を決め、源田壮亮内野手(30)の右前打で勝ち越し。栗山英樹監督(61)が終盤の代走の切り札とするジョーカーによって、1点をもぎ取る戦術が的中。侍が誇る足のスペシャリストが、世界と戦う脅威になる。

 スランプのない周東の快足は、1点を争う勝負どころで武器となる。栗山監督が走塁の「スペシャリスト枠」で招集した宝刀を抜き、同点劇、勝ち越し劇の2つを演出した。

 指揮官が「スピードのある選手が本当に(武器を)生かしてくれた。苦しい時にいろんな形で点が取れるのは幅が広がる」と称えた神走塁は2度あった。

 <1>同点劇 2点を追う5回無死一、三塁。一塁走者の近藤に代走・周東を送った。岡本和の2球目、わずかに捕手が球をこぼした隙を逃さずスタート。二塁送球に失策が絡み三塁走者が生還。周東は三塁まで進み、岡本和の二ゴロで同点のホームを踏み、出場から3球、適時打なしで2点を奪った。

 <2>勝ち越し劇 同点の9回。1死から左前打。源田の初球に二盗を決め捕手の悪送球の間に三塁へ進んだ。直後に源田が決勝の右前適時打。2球で一塁から生還した。

 周東が塁に出て計5球で3得点。ファンに「二盗・三盗・周東」と評される27歳は「自分の仕事をできた。点に絡めて勝てたことが良かった。自信を持ってもいい」と胸を張った。14年ぶりの世界一を目指すWBCを前に、栗山監督はあらゆる野球人の知恵を借りようとアマ野球を視察し、長嶋茂雄氏ら歴代の日本代表監督から世界で勝ちきるすべを聞いた。その一つが「代走の切り札」の周東の侍選出だ。50メートル走5秒7の俊足で、19年のプレミア12でも大会最多4盗塁で優勝に貢献。指揮官は「もっと凄いことをWBCでやってくれると信じています」とさらなる期待を寄せた。

 25日の試合後のタイブレーク練習でも本来のルール通り打順を引き継がず、10回無死二塁の走者に起用し得点を奪った。昨年11月の強化試合から6連勝に「こういう形で勝てると勢いに乗る」と栗山監督。ロースコアの厳しい試合展開が予想される国際大会で、周東の足が命運を握っている。(神田 佑)

 ▽周東の19年プレミア12での神走塁 主に代走として7試合に出場。11月11日のスーパーR・オーストラリア戦では、1点を追う7回無死一塁から吉田正の代走で出場し、二盗、三盗の活躍。直後に源田がセーフティーバントを敢行すると、投手のタッチをすり抜けて同点のホームを踏んだ。他にプエルトリコ戦、米国戦でも盗塁を決め、大会最多となる4盗塁をマーク。盗塁王に輝いた。守備でも1次Rでは中堅と左翼、スーパーRでは三塁、中堅、右翼と4ポジションをこなした。

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