【侍ジャパン】ダルビッシュ一問一答 「体がでかい」と驚いた打者 カーショー辞退、チーム見て感じること

[ 2023年2月21日 14:10 ]

<侍ジャパン宮崎合宿>ライブバッティングに登板するダルビッシュ (撮影・白鳥 佳樹) 
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 3月のWBCに出場する侍ジャパンの宮崎強化合宿が21日、サンマリンスタジアムで行われ、ダルビッシュ有投手(パドレス)が実戦形式の打撃練習「ライブBP」に登板した。

 マウンドに向かうダルビッシュに観衆からは拍手が送られ、甲斐とのバッテリーで登板。打者から立候補が殺到する中、最初に打席に立ったのは村上。4球目をバックスクリーンへ放り込み、場内からはどよめきと拍手が起きた。大城、近藤、岡本、牧と対戦し、村上が「おかわり」。2球目を逆方向となる左前へ運ばれた。打者5人計24球を投げて「3安打」の内容だった。

 ダルビッシュの一問一答は下記の通り。

 ――初の実戦登板。どんな登板だった?
 「久しぶりに日本で投げる機会だったので、凄くたくさんのファンの方々も見に来てくださっていたし、全体的に楽しくできたと思います」

 ――米国とは違う感覚?
 「そこまで違った感覚はない。例えばマウンドであったりとか、そういうところは違いますし。こんなに一気に日本人と対戦することがないので、そういうところで新鮮なところはありました」

 ――今日のテーマ?
 「とにかく打ちに来る打者に投げるということだけで、特にこの配球がどうだとか、変化球の切れをどうするとか考えずに、その感覚だけを確かめに行くという感じでした」

 ――村上との対戦?
 「打った瞬間、行ったかなという風に思ったので…でも、ねえ、こんなところで公開処刑されて…ちょっと悲しいです」

 ――投げた球の間隔は?
 「ツーシームをインコースから入れようとしたんですけど…高めに吹き上がって。真ん中高めに浮きましたけど、あの球を…そんなに簡単にはメジャーのバッターでも打てないので。それを一発でファっと打ったのでびっくりしました。(予想外?)いってファウルかなという感じだったんですけど、それをしっかり芯でとらえてるので。本人は風です!とか言ってましたけど、僕としても経験はあるのでちゃんととらえてはいたなと思います」

 ――日本の4番候補として見てみて?
 「ずっと動画とかでは見ていたので本物だーって思いましたし、本当に雰囲気がある。打席での目とか。普段凄く明るい選手なんですけど集中した時は怖いと感じました」

 ――おかわり?
 「いや、もう、おかわりしといてしっかり打たれるという、ちょっと凄く恥ずかしいあれだったんですけど…あれも外からのスライダー、結構簡単に通るような球ですけど、しっかり待って逆方向に軽打してきたので。本人は外からのスライダー来ると思いましたって言ってたので、そういう所も頭がいいなと思いました」

 ――頼もしさを感じた?
 「そうですし、これからいずれメジャーとかに行く可能性もありますから。日本の選手の評価を変えられるような選手だと思います」

 ――BPの自身の収穫は?
 「バッターに投げたというところでは良かったですけど。気温がすごく低かったですし、朝起きたときに気温も調べてやめようかなと思ったんですけど…アメリカだとそれが通用するけれど、こっちでは発表してしまっているので。投げるしかないかなっていう難しいところはあったんですけど。でも本当に楽しかったです」

 ――ファンの歓声は?
 「打者に集中していたので声は聞こえなかったですが、そうやってずっと見てくださって感謝しています」

 ――村上とはまた対戦したい?
 「そうですね。次はまた自分も違った状態でいけると思うので。ライブBPとなると、他の選手と対戦していないので。みんな対戦したいって言ってくださっているんで。そことのバランスもありますけれど、また対戦したいという気持ちはあります」

 ――甲斐との話は?
 「すごく気を遣ってくれているので…あの時の球種の選択がこうで、こうで…って言ってたので、とりあえず今はわからないのは当たり前なので、ちょっとずつ焦らずに、と。甲斐選手はずっと日本でナンバーワンのキャッチャーだと思うんで。そんなにああやこうや言いたくなかったので、大丈夫だよっていう話はしましたけど」

 ――これからに向けて
 「一番は寒い日をどう過ごすかということ。自分はある程度経験があるので、お酒を飲み過ぎないとかほんとに基本的なことですけれど、ちゃんとコンディショニングしたいと思っています」

――対戦後に村上とはベンチで何を話した?
 「自分どうですか?ということを聞いてくれてて、で、その離れているんですけど、それはどう思いますか?とか。あと、どんなことを話したかな…。僕は凄いバッターだと思ったよと、そういう感じの話でした」

 ――寒さについて。ブルペンでは長袖で、BPは半袖だったのは?
 「生地的に、侍ジャパンのユニホームの生地的にそのまま投げて行くと冷えた状態になるので、着替えたかったので、なるべく寒い中で皮膚を出して投げるのもいやだったので、なるべく長袖で投げてギリギリまで半袖に。いつも試合は半袖で投げるので。そういう感じでやりました。

 ――スライダーが空振り、ファウルを取れていた?
 「スライダーは良かったと思いますね。今日は体の開きが速いとかいろいろあったんですけど、体が突っ込んだりとか、そう言うときは真っすぐはあんまり今日みたいに良くない時があるんですけど、スライダーはずっと僕はいいので基本的には。スライダーでも横でも斜めだったり混ぜて右バッターなら、ちょっと頭を動かしたりとか、そういう反応が、打者の反応がいいなと思ったので、そこは良かったです。

 ――ブルペンで甲斐に状態を上体を起こすように求めていたが?
 「やっぱり日本のピッチャーって高めにあんまり投げるピッチャーっていないと思うんですけど、僕は基本的に高めに投げたいピッチャーなので、甲斐選手としては低めに構えないといけないと思っていると思うんですよね。特に本人フレーミングのことをやっているので。だから自分はちょっと高めに構えてほしいということを言いましたね」

 (元・日本ハムの杉谷拳士氏に向かって)「おいでよこっちに。おいでよ。何しに来たの?」と質問。杉谷氏が「ダルさんにいろいろ聞きたいと思って」と言うと、「聞いてよ」と促す。

 ――宇田川君がチームになじめずに悩んでいた。昨日、宇田川会を開催して、どうフォローをかけた?僕も組織になじめない1人だった(杉谷氏)
 「どういう風にと言うか普通に投手会をやっていて、で、最後の方に凄いでも、中心にいて、で、凄く楽しそうにしゃべっていたというのはあったけど、最後にみんなで外で記念撮影をしようかと言っていて、ちょっとそういう記事もあったから宇田川君が真ん中で腕を組んで、みんなで囲んで写真を撮ろうよと話していて、それで凄くうれしそうだった。そういう意味で良かったです。もともとは投手会とやっただけで」

 ――宇田川は減量中だと。ダルさんに“アメリカのピッチャーは太っている選手いっぱいいるよ”と言われて気持ちが楽になったと。アイスをいっぱい食させてもらいました、と言っていました(杉谷氏)
 「めっちゃ食べてました(笑い)。でもだから、減量、減量、言うから。体見てもそんな太っているとは思わないし、おなかを触ってもそんなでもないし。体重というよりかは動けないというところが問題やから、動くためのアプローチをしないといけないのに、減量となってしまうと、僕の体がそうであるなら球速が落ちてしまったりとか、おかしくなってしまうから、というところですかね。昨日のやつもそうですけど、昨年までは育成で、そこからいきなり侍ジャパンに来て、ここにもきて減量だとか、それではあまりにも1人の人間が背負うには大きすぎる。それは凄く嫌だったので、そういう感じです」

 ――メジャーと日本人バッターの違いはどういうところに感じる?
 「いやー、うーん、でも予想どおりというか、日本のバッターの方が嫌だなと思いましたね。こう、何て言うのかな、自分のスイングをします、という感じじゃなくて、自分のスイングはあるんだけど、その中で他のバッターに投げて、こういう球を投げているな、じゃあおれにはこういう球が来るな、こうやってみようかとかするから、軽打もしっかりできるので村上君もレフトにうったのもそうだけど、それを基本的にしないのがアメリカ。もちろんパワーはあっちの方があるんだろうけど、球への付いてきかたとか、反応というのは、やっぱりその自分が前回09年とか2011年にいたときとは全く違うなと思いました」

 ――アメリカラウンドで日本人が動くボールに苦戦することが多い。どこを改善すれば良くなる?
 「動くボールというか、投手によって動くボールを投げるというか、ツーシームメインのピッチャーもいれば、そうじゃないピッチャーもいるますけど。今の感じだと気にする必要はないというか、みんな普通に打てると思いますね」

 ――岡本の印象は?
 「もう結構離れて立っていますし、本当に体がでかいので凄いなと。村上君よりたぶんでかいですよね、横としては。もうすごく威圧感があったから、僕は岡本君が一番感じたかなという感じがしました」

 ――牧への3球目は、四球を怖がってよけながらもストライク
 「あれはスライダーが抜けたやつですね。外に投げようとはしているんですけど、僕もこっち側にミスしたりするので、それを踏み込んでバッと打たれると、困るんですけど、ああいう反応をしてくれると僕としてはいいキレなのかなと思いますね。(避けて、ストライク?)ストライクでしたね」

 ――村上に打たれたのはフロントドアのツーシーム?
 「ツーシームですね。(メジャーで覚えた球種?)もちろん。(日本の時も投げていた?)いや、ツーシームは投げていないと思います」

 ――合宿の初日、なかなか新しい情報がなかったと。日本のこの情報が届いていないと感じたことは?
 「全員、ルーティンというのは見ていまして、どういうことが好きなのかなとか、というのは見ていて分かるんですけど、その、何だろう。姿勢に関しての意識が各球団そこまでないのかなと。姿勢。あばらの肋骨の位置であったりとか、だからその、そういうところって、みんな教育というか、仕事化?していないのかなと感じたので、そうなると腰に負担がかかりやすいとか、いろんな傷害になったりするので、そういうところはまだ見ていて思いましたね。それがなくてもプレーはできるんですけど、例えばそういうのはメンタルだとかそう言うところに影響してきたりするので、より力も発揮しやすいですし、そういう方が」

 ――アメリカ代表のカーショー辞退。トップのピッチャーがWBCに参加しやすくなるために何が必要と感じるか?
 「アメリカは保険とかがあるので、なんとも言えないし、元々カーショーは腰がずっと良くないので、状態としてはうまくコントロールできているんだろうけど、ダメということで、うーん、難しいですね。向こうは高額なので年俸が。年俸が落ちるしかないと思いますけど。(発展のためにクリアできないと難しい?)そうですね」

 ――村上との対戦をおかわりした経緯は?吉井コーチが「村上もう一回」と言っていたが?
 「いやもう終わりという感じだったんですけど、村上もう一回いいですかと言って、それでそうなった」

 ――ダルビッシュが合宿に参加してメジャーリーガーがリスペクトされているのを感じた。日本の選手がもっとリスペクトされるのは何は必要?
 「誰にリスペクトされるためですか?(ファンに)うーん、自分が特別だと思わないところじゃないですか。そこはやっぱりファンの方々も僕らも基本的には同じなので。確かに自分たちとしてはいろいろ写真撮影とか、サイン下さいとか言ってもらえますけど、その価値というのは勝手に周りがつくってくださっているもので、本来の価値というのは生まれたときから変わらないわけじゃないですか、そこに惑わされないで、自分の言動に関してはきをつけるということかなと思いますけど」

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