ソフトB・大野 鹿児島で「凱旋登板できるようにしたい」

[ 2023年2月14日 07:10 ]

ソフトバンク・大野
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 毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けする「筑後鷹」。第15回はドラフト4位ルーキーの大野稼頭央投手(18=大島)だ。昨春はセンバツに出場。奄美大島の高校出身者として初のプロ野球選手になった。鹿児島での凱旋登板を目指して若手中心のC組がキャンプを張る筑後で奮闘中だ。

 奄美の、そしてホークスの夢が詰まった左腕の挑戦が筑後市のファーム施設から始まった。鹿児島県の地元テレビ局が取材に訪れた春季キャンプ初日に大野はブルペン入りし、捕手を立たせて30球を投げ込んだ。別の日には投内連係や体幹トレーニングで汗を流すなど元気いっぱい、充実の日々を送っている。「これからシーズンに向けて練習もどんどんハードになってくるし、実戦も多くなってくると思う。一つ一つ、しっかり取り組んで小さなことから身につけていきたいです」と力強く話した。

 カーブと最速146キロの直球が生み出す緩急を武器に、昨春は甲子園の土を踏んだ。初戦の明秀学園日立(茨城)戦に先発し、8回8失点。169球の熱投は報われなかったが、「甲子園はいい経験になったし、自分よりも上の選手がたくさんいた」と刺激を受けた。同じ高卒では巨人の浅野など多くの選手がプロに進んだ。「負けないように。常に上を目指してやっていきたい」と目をギラギラさせている。

 ランニングメニューでは先頭で引っ張っている。高校時代の練習では走り込みと体幹を中心に取り組んできた成果だといい、「スタミナもこのC組の中では上の方だと思う。そこは自信を持っています」と頼もしい言葉が返ってきた。

 練習を見守るのは中日、ソフトバンク、阪神で通算100勝を挙げた中田4軍投手コーチだ。積極的にコミュニケーションを取りながら向き合っている。「体も柔らかい。しっかり体力がある状態で身体能力も高い。凄く楽しみなピッチャーと感じています」と評した。スカウトからは「“金の卵”だからよろしくね、と伝えていただいている」と話し、「野球に対する意欲も含めて凄くいい精神状態で毎日努力している。もっともっと成長してくれると思う」と語った。

 キャンプでは体づくりをしつつ、「ケガしないことを第一に、しっかりアピールできるところはして、目立っていきたい」と誓った。1軍で活躍するのと同時にかなえたい夢も秘める。ソフトバンクは4~5月にふるさとの鹿児島で公式戦を行うことが多く、「凱旋登板できるようにしたい」と誓った。 (杉浦 友樹)

 ◇大野 稼頭央(おおの・かずお)2004年(平16)8月6日生まれ、鹿児島県奄美大島の龍郷(たつごう)町出身の18歳。小3で野球を始める。高校では2年春から背番号1。「稼頭央」は父がファンだった西武監督の松井稼頭央氏が由来。高校では2年春から背番号1。1メートル75、65キロ。左投げ左打ち。

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2023年2月14日のニュース