日本一オリックス・吉田正がメジャー挑戦へ!球団にポスティング直訴の意向 容認されるか交渉に

[ 2022年10月31日 03:00 ]

SMBC日本シリーズ2022第7戦   オリックス5-4ヤクルト ( 2022年10月30日    神宮 )

<ヤ・オ> 歓喜の輪に加わる吉田正(中央)(撮影・大森 寛明)
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 オリックス・吉田正尚外野手(29)が今オフ、ポスティングシステムによるメジャー挑戦の可能性を視野に球団と話し合いを持つことが30日、分かった。近く正式に意向を伝える方針で、容認されるかは未定ながら交渉していく。

 球界屈指のスラッガーが、最高峰の舞台を目指す。これまで公の場で語ったことはなかったが、実は球団と一昨年オフから代理人を通じ、ポスティングシステムを含めたさまざまな可能性について話し合ってきた。

 チーム思いの性格で知られ、今季こそ「日本一を」と戦ってきた。目の前の試合に集中したい思いから、ポストシーズンを含めた全日程終了を待って本格始動する方針だった。容認されるかどうかは未定ながら、球団に対して正式に意向を伝え、交渉を重ねていく見込みだ。

 幼少期からメジャーに憧れてきた一方で、生活環境が大きく変わることを懸念し、家族に迷惑をかけたくない気持ちと揺れた時期もあった。決断の一つが、今季限りで現役引退した糸井、過去にメジャー挑戦を断念したソフトバンク・柳田ら公私で慕う2人の姿。「多くの先輩と会い、いろんな話をする中で、後悔したくないとは思うようになった」と話していた。

 おもちゃのバットを持った5歳から、フルスイングだった。「子どものころからテレビでメジャーを見て、バリー・ボンズとかケン・グリフィーJr.とか、本当にすげえなって」。小2で1キロ超えの重量マスコットに持ち替え、折れるまで振った。「常にいいものを目指して」と築き上げた。

 1年目の16年から7年連続2桁本塁打を記録。腰痛に悩まされた時期もあったが、アテネ五輪男子ハンマー投げ金メダリストでスポーツ庁の室伏広治長官(48)に師事して克服。20、21年には2年連続で首位打者のタイトルも獲得した。今季は杉本やT―岡田、助っ人陣が軒並み不振に陥った打線で徹底マークに遭いながら、119試合に出場し打率・335、21本塁打、88打点。27日の日本シリーズ第5戦でもサヨナラ2ランを含む1試合2発を放つなど不動の主砲として、26年ぶりの日本一に導いた。

 フィリーズのブライス・ハーパーに憧れ、自ら背番号34を選んで入団。愛猫にブライス、愛犬にハーパーと名付けた。球団で同システムを使用して夢舞台に挑むのは、01年イチロー、05年中村紀洋以来。長打力と確実性を兼ね備える最強打者が、新たなスタートを切る。

 ▽ポスティングシステム 海外FA権の取得前に大リーグに移籍する制度。現在は以前のように入札ではなく、獲得希望の全球団と交渉ができる。大リーグ側に申請し、米30球団に通知された原則翌日から交渉が可能。今年の申請手続き期間は11月1日から12月15日まで。交渉期間は昨年までの30日間から45日間に拡大された。日本球団への譲渡金は選手が契約で保証される額により変動する。なお交渉期間内に契約合意がなかった場合、翌年の申請開始日までポスティングの再申請はできない。

 《シリーズ優秀選手に選出》
 MVPは杉本に譲ったが、吉田正が山崎福とともにシリーズ優秀選手に選ばれた。27日の第5戦でサヨナラ2ランを含む1試合2本塁打。日本一への流れをつくったことが評価された。この夜は5回に押し出しの死球で打点も記録。「去年負けて悔しい思いをしてから、連覇と日本一を目指してきた。無事それが達成できて、ひと安心です。いいチームになったと思います」と村上との4番対決も制し、夢に見た頂点の感動を存分に味わっていた。

 ◇吉田 正尚(よしだ・まさたか)1993年(平5)7月15日生まれ、福井県出身の29歳。敦賀気比で1年夏、2年春に甲子園出場。青学大を経て、15年ドラフト1位でオリックス入団。20、21年に2年連続首位打者。21年東京五輪に日本代表として出場し金メダルを獲得した。1メートル73、85キロ。右投げ左打ち。

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