知徳 東海大会初進出へ 主将で4番・高橋大海食らいつく

[ 2022年9月30日 09:55 ]

県大会打率・600の勝負強さを武器に初の東海切符を引き寄せる知徳の高橋
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 来春選抜の参考資料となる第75回秋季高校野球静岡県大会は10月1日、草薙球場で準決勝が行われ、まずは勝者2校が東海大会(来月22日から県内)出場を決める。17年ぶり2度目の4強入りから初の東海進出を懸ける知徳が、常葉大菊川撃破で新たな歴史の扉を開く。今大会打率・600と好調な主将で4番・高橋大海(ひろうみ)一塁手(2年)を中心に、泥臭く食らいついて強豪突破を図る。

 過去の最高成績に並んだだけで、ここからが本当の勝負だ。今週の練習でもグラウンドでは必要な声が途切れることなく、貪欲な姿勢を積極的に体現。主将の高橋は「僕たちの目標は選抜に行くことで、誰一人満足はしていません。特別なことはやらない。いつも通りコツコツと、練習通りの結果を出せればどんな相手でも勝てます」と言い切った。

 打線においても4番として頼もしくけん引している。県大会3戦10打数6安打の打率・600。御殿場西との準々決勝では、6番・杉本羚捕手(2年)の決勝2点右前打を演出する左前打で勝利に貢献した。タイプ的には長距離砲ではない。しぶと、くつなぎも還しもできる初鹿文彦監督(47)好みの選手だ。新チーム以降の練習試合33戦の打率は・239。どんなに不振でも仲間への献身的な姿勢は崩さず、指揮官の「公式戦になれば打てるから」という言葉が支えになった。

 知徳や初鹿監督との運命を感じている。3年時に主将として活躍した長兄・大空(ひろたか)さん(国士舘大3年)が同校に入学した縁で、小学校高学年時からグラウンドに遊びに来ていた。その場には同じく兄・歩さん(清和大4年)がOBだった1年後輩のエース右腕・小船翼(1年)も居合わせていた。「あとから初鹿先生に聞きました。今一緒にやっていることが凄い」と驚嘆。同時に「人柄野球を教えていただいている、熱い気持ちを持った初鹿先生をどうしても甲子園に連れて行きたいんです」と声を大にする。

 基本が全て。向上心を持って互いに高め合い、ミスが出ればカバーし合う。これこそが「感謝」、「思いやり」、「素直」を実践する「人柄野球」本来の姿。高橋を先頭に、一発で東海への壁を突き破る。(小澤 秀人)

 <1メートル96右腕・小船「怖いものない」> 先発が濃厚な長身1メートル96のエース右腕・小船も満を持した。今週は休養日となった月曜日以外は全てブルペン入り。杉本羚捕手のミットを目掛け、気持ち良く腕を振った。今大会3戦24回2/3を投げ12安打1失点。防御率は0・36と抜群の安定感を誇っていることもあり「今は自信しかありませんし、怖いものもないです」とまさに自信満々だった。

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2022年9月30日のニュース