28歳の社会人No.1投手がプロ志望表明 指揮官「栗林に匹敵」 最年長指名は30歳4カ月

[ 2022年9月30日 20:01 ]

昨年の都市対抗では橋戸賞(MVP)を獲得した臼井(撮影・柳内 遼平)
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 昨年の都市対抗優勝に導き、MVPにあたる橋戸賞を獲得した東京ガスの最速154キロ右腕・臼井浩(いさむ)投手(28)が30日、プロ志望を明かした。28歳でのプロ挑戦は異例。10月20日のドラフト会議を前に「プロに行けるのであれば行きたい。後悔はしたくない」と指名を熱望した。

 大卒の社会人選手は入社2年目の指名解禁から4年目までがプロ入りの「リミット」になる。ベテランの臼井はドラフト候補と目されていなかったが、昨年ドラフト後の都市対抗でプロスカウトからの評価が急上昇。山口太輔監督と面談し「プロ志望」の意思を固めた。

 1メートル68の小柄ながら150キロ超の直球、多彩な変化球をコーナーに投げ分ける完成度が売りの「社会人No.1投手」。複数球団のスカウトが視察した27日の巨人3軍との交流試合では4回を2安打無失点の快投で「即戦力」をアピール。「プロを目指す中で“打たれるわけにはいかない”と思いながら投げました」と振り返った。

 ドラフトでの最年長指名は82年の電電関東・市村則紀の30歳4カ月(中日3位)。20年ドラフトでは臼井と同じ28歳で日本生命・阿部翔太がオリックスに6位指名された。

 ドラフト1位候補の右腕・益田武尚投手(23)と同時指名を受ければ二枚看板を失うことになるが、山口監督は「活躍すれば新たな社会人野球のモデル、希望になれる」と強く背中を押し「栗林(トヨタ自動車→広島)に匹敵する能力を持っている」と太鼓判を押した。

 大学時代の最速は145キロ。社会人野球で大器晩成した男が挑む夢のプロ入り。運命の日に「臼井浩」の名は呼ばれるか、注目が集まる。(柳内 遼平)

 ◇臼井 浩(うすい・いさむ)1994年(平6)4月2日生まれ、神奈川県出身の28歳。小1で野球を始め、大谷中では神奈川綾瀬シニアに所属。光明学園相模原(神奈川)では甲子園出場なし。中央学院大を経て、東京ガスでは18年に侍ジャパン社会人代表に選出。憧れの選手は東京ガスOBのロッテ・美馬。1メートル68、78キロ。右投げ左打ち。

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