落合博満氏 江川問題に揺れた1978年ドラフト 空白の一日に消えた?巨人2位 当日“誤報”も

[ 2022年9月30日 17:10 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(68)が30日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。社会人時代に声を掛けられた球団などを明かし、面白おかしく“スカウト裏話”を語った。

 東芝府中に入社し社会人野球生活5年目の1978年ドラフトでロッテから3位指名を受けプロの世界に入った落合氏。その年のドラフトは「空白に一日」で有名な江川卓の獲得交渉を巡って巨人がドラフト会議をボイコットし11球団で行われた。

 落合氏は「ちょうど江川問題でドラフトが11球団で指名4人までっていう…そういう特殊な事情のドラフトの年だったよ」と回顧。それまでに「大洋」や「阪神」から話がありながらも実現しなかったが、もしこの年(1978年)に巨人がドラフトに参加していたら「巨人・落合博満」の可能性はあったのか?

 すると「まあぁ、内堀さん(保=当時の巨人スカウト)からジャイアンツが出たら2位に指名してたって話は聞いたけどね」とサラリ。続けて「まあ、それだって…へへへ。鵜呑みにできる話ではないよ」と過去の経験も踏まえ笑った。

 「まあ、ロッテに指名されたっていうのは、当時ロッテっていうのはみんな入団拒否されているような時代だったんでね。それでどうやっても入れたかったっていうことなんじゃないのかな。だからお鉢が回ってきたんじゃないのか」と謙遜。「ほとんどの球団が4人なら4人入っている中で2人入団拒否だもん。もし有望な選手がいたら、3人4人、全員入団拒否っていったら球団のメンツないじゃない。だから何とか指名すれば入ってくれんじゃないのかなっていうところに賭けたんだと(思う)。そこに引っかかっただけのことなんだろうと思うけどね」と自らを指名したロッテの事情を推測した。

 プロになることが大前提だった落合氏は「プロって諦めていたから。もう年齢も年齢なんで“これはないよな”っていうことで。で、練習してたら“日本ハムが1位でいったよ”っていう誤報が入ってね。で日本ハムが指名したのは高代(延博=東芝)だった。んで、練習終わる頃に“ロッテが3位で指名したよ”って連絡が入って“あぁ、これドラフトかかったんだな”っていうのが(実感できた)」と懐かしそうに振り返った。

 最後に社会人時代に「大洋」「阪神」「巨人」などの球団の名が挙がったことに「だからスカウトの話って鵜呑みにできないってことだよ。だまされた人間がどれだけいることか!」とニヤリ。ロッテに入ったから今の「落合博満」があるんですねというスタッフからの言葉に「そうだよ!出発点がロッテだったから良かったんだと思うよ」としみじみと語った。

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2022年9月30日のニュース