「最後の近鉄戦士」ヤクルト・坂口「当てにいって終わりたくない」有終フルスイング

[ 2022年9月30日 05:20 ]

イースタン・リーグ   ヤクルト6ー4西武 ( 2022年9月29日    戸田 )

イースタン・リーグの本拠最終戦の西武戦後、引退を発表した坂口は胴上げされる
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 ヤクルトは29日、坂口智隆外野手(38)が今季限りで現役を引退すると発表した。04年限りで消滅した近鉄に在籍経験のある最後の現役選手がユニホームを脱ぐ。

 坂口はこの日、イースタン・リーグの本拠・戸田の最終戦、西武戦に出場。通算1525安打のベテランは8回先頭で代打で登場し「当てにいくタイプのバッターやったのに、当てにいって終わりたくない」とフルスイングで一ゴロ。試合後には自主トレをともにしていた西田から花束を受け取り、仲間の手で5度胴上げされた。

 02年のドラフト1巡目で近鉄に入団。04年の球界再編を経て、オリックス時代の11年に最多安打のタイトルを獲得した。15年オフに出場機会を求め、自由契約を申し入れて退団。ヤクルトに移籍して主力として活躍したが、若手の台頭もあり昨季は25試合の出場。20年目の今季は23試合で打率・268、0本塁打、2打点だった。

 「2軍で必死に汗を流して頑張っている若い子たちと上を目指した。彼らがいなければ、僕の体は動いていない」と最後まで自分と向き合った背番号42。球場には42番のユニホームや坂口のタオルを掲げるファンが多く集まった。「凄く感動した。熱いものを感じた」と感謝。30日に行われる会見で改めて引退の報告をする。(青森 正宣)

 ◇坂口 智隆(さかぐち・ともたか)1984年(昭59)7月7日生まれ、兵庫県出身の38歳。神戸国際大付では投手として2年春に甲子園出場。02年ドラフト1巡目で近鉄入団。近鉄消滅後の05~15年はオリックスでプレー。11年に最多安打に輝いた。15年オフに自由契約となりヤクルト移籍。1メートル81、82キロ。右投げ左打ち。

 ▼ヤクルト・高津監督 口に出してどうこうより、練習態度やベンチでの姿だったりを見て、後輩が凄く影響を受けた選手だと思う。なかなかいそうでいない。僕も感謝している。

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