中畑清氏が200セーブ達成の康晃を祝福 “勤続疲労”、母の死…苦しかった2年間よく乗り越えた

[ 2022年8月25日 05:30 ]

15年、プロ初セーブを挙げた山崎(左)を祝福する中畑監督
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 元DeNA監督で、1年目の15年に新人守護神に抜てきした中畑清氏(68=本紙評論家)が、山崎の偉業達成に祝福のメッセージを寄せた。

 康晃、おめでとう。8年目での通算200セーブ到達。苦しかった2年間をよくぞ乗り越えた。

 入団1年目。最初は先発として期待していた。でも練習試合からオープン戦、3度の先発で11回12失点。投げるたびに内容が悪くなっていく。2軍で鍛える方向でまとまりかけたときだ。日米大学野球やハーレム大会で抑えとして活躍したという話を思い出した。

 「まだショートイニングの投球を見てないじゃないか」

 リリーフで使ったら見違えるような投球。集中力があるんだな。真っすぐが切れ、ツーシームもスピードがあってよく落ちる。闘争心も表に出してね。登板ごとに内容がよくなっていった。

 母子家庭で育ち、お母さんに対する感謝の気持ちを人一倍持っている。体の強さに加えてハングリー精神、メンタルも強い。私は抵抗なく抑えを任せる覚悟ができた。周りはみんな反対したけどね。

 3月23日、東京・有明で行われたセ・リーグのファンミーティング。6球団の監督、ドラフト1位が集まった中、打ち合わせなしで通告した。

 「先発と短いイニング、どっちがいい?」

 「短い方です」

 「OK!じゃあ、やってみろ」

 目をギンギラギンに輝かせた康晃はその年新人最多記録となる37セーブをマークし、新人王に輝いた。

 一昨年、昨年は“勤続疲労”もあったんだろうな。昨年10月に亡くなったお母さんへの献身的な看病で心の乱れもあったと思う。告別式のときに言ったよね。「ここからだぞ、お前の人生」って。

 体重を5、6キロ落とした今季。真っすぐの切れが戻った。抑え復活。本当にいいスタートを切ってくれた。(元DeNA監督)

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2022年8月25日のニュース