エンゼルス“身売り”で大谷の移籍加速か モレノ・オーナー退き…米メディア「障害がなくなる」

[ 2022年8月25日 02:30 ]

<レイズ・エンゼルス>初回、左前打で出塁するも得点ならず、ベンチへ引きあげる大谷(撮影・大森  寛明)
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 エンゼルスは23日(日本時間24日)、球団売却などを検討する手続きを開始したと発表した。14年を最後にプレーオフから遠ざかり、今季もア・リーグ西地区4位と低迷。今夏のトレード市場で大谷翔平投手(28)の残留を望んだアート・モレノ・オーナー(76)が退くことで、今オフ以降に他球団へ移籍する可能性が高まりつつある。

 敵地セントピーターズバーグでのレイズ戦の試合開始6時間前。エンゼルスは、球団売却への手続きを進めると発表した。モレノ・オーナーは「難しい決断だったが、今がその時という結論に達した」などと声明文でコメント。主砲のトラウトは試合前のクラブハウスで「まだ頭を整理しきれていない」とナインの思いを代弁した。

 ここで改めて注目が高まるのは、大谷の去就だ。CBSスポーツは「移籍の障害がなくなる」と伝えた。エ軍は14年を最後にプレーオフから遠ざかり、今季もア・リーグ西地区4位と低迷。今月上旬のトレード期限直前にはマーシュ、イグレシアスら一部の主力を放出し、再建へとかじを切った。12球団程度が持ちかけたと報じられた大谷のトレード交渉で、最も難色を示していたのがモレノ・オーナーだったとされる。ニューヨーク・ポスト紙電子版は、同オーナーが退けば「状況は変わる。どのチームも大谷クラスの選手は欲しい」と指摘した。

 03年のモレノ氏のオーナー就任以降、チームはポストシーズンに6度出場。しかし、02年以来のワールドシリーズ進出は一度も果たせなかった。大谷は昨季終盤、「ヒリヒリする9月を過ごしたい」と訴え、世界一を狙うことができるチームでのプレーを熱望。球団売却の手続きにどの程度の時間が必要か不透明な中で、大谷は来オフにFAとなる。

 大谷の引き留めにはメッツの右腕シャーザーの史上最高年俸4333万ドル(約59億3600万円)を上回る巨額の複数年契約が必要とされる。ただ、トラウトと30年までの12年契約、レンドンと26年までの7年契約を抱えていることが、重い足かせとなっている。

 エ軍と同様に球団の売却手続きを進めているナショナルズは、主砲ソトとの契約延長交渉が不調に終わり、パドレスへトレード期限直前に移籍。大谷の今夏のトレード交渉にはヤンキース、メッツ、ドジャースなど資金力が豊富な球団が参戦しているとされ、CBSスポーツは改めてこれらの球団を移籍先の候補に挙げた。大谷が今オフ、大きな転機を迎えることになるのか。(笹田 幸嗣通信員)

 ≪WBC出場に影響も≫大谷は来年3月に開催される第5回WBCへの出場意欲を示しており、ペリー・ミナシアンGMも既に容認。球団として支援する意向を示している。ただ、オーナーが交代することで体制や方針も変わり、今オフに移籍しない場合でも出場可否に影響が出る可能性もある。移籍した場合は移籍先球団の意向などにより、出場が難しくなる可能性がある。

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2022年8月25日のニュース