亀山つとむ氏 左腕に勝てない阪神 中野、島田、近本の自慢の走力を前面に押し出して戦うべき

[ 2022年8月25日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神0―4DeNA ( 2022年8月24日    京セラD )

亀山つとむ氏
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 【亀山つとむ 視点】緊迫した投手戦は、意表をつく相手の作戦で流れが変わった。7回2死二塁で、阪神は代打・伊藤に申告敬遠を選択。DeNAは2死一、二塁から左打者の関根を代打に送った。ここでまさかのセーフティーバント。初球で決めると、桑原が満塁弾。大胆な奇襲が成功すると、全体が勢いづく好例だった。

 一方の阪神は左腕の先発試合に、これで9連敗。苦戦が続いている。浜口に対して、直球を逆方向に打ち返すという意識は見えたが、連打を待つだけでは、なかなか打ち崩すことはできない。島田がセーフティーを仕掛ける場面もあったが、これも機能しなかった。

 1番から4番まで左打者を並べている以上、左投手に対しては、どうしても苦しく、重たい試合展開を強いられる。7月のDeNA3連戦で2番・山本がはまったように右を挟む形を再検討するのも一手。だが、この打線にこだわるというなら、その武器である走力を前面に押し出した作戦が求められる。中野、島田、近本と3人連続セーフティーなど、相手をひと泡吹かせる試合に持ち込んでこそ勝機が生まれる。CSでもDeNAと対戦する可能性は高い。勝負どころに向けた左腕対策をもう一度練り直す時期だと思う。

 仕掛けという点では4点を奪われた直後の攻撃もポイントだ。浜口から右の入江に代わり、佐藤輝が四球、大山が中前打で無死一、二塁。ここで原口が遊飛、代打・糸原が一ゴロに倒れた。ここはロハス・ジュニア、ロドリゲスの連続代打で流れを変える長打に懸けてほしかった。(スポニチ本紙評論家)

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