米敏腕記者ヘイマン氏に聞く エンゼルス売却で球団と大谷の今後は?

[ 2022年8月25日 02:30 ]

エンゼルスの今後について語ったジョン・ヘイマン記者
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 大リーグ専門局「MLBネットワーク」の看板記者ジョン・ヘイマン氏が本紙の取材に応じ、球団売却の方針を表明したエンゼルスの今後と、注目される大谷の去就の見通しについて語った。

 エンゼルスの新オーナーに関しては、「カルフォルニアというビッグマーケットのチームなのだから、勝つために大金を費やす気概のある人物になってほしい」と訴え。現オーナーのアート・モレノ氏が年俸総額の規定額上限を超え、課徴金(ぜいたく税)の対象になることに否定的だった点に触れ「それにもかかわらず(トラウト、レンドンの)2人と合計年俸7000万ドル(約95億2000万円)の大型契約をしたため、それ以上の補強は難しくなった。大谷の次の契約はおそらく年俸5000万ドル(約68億円)といったレベルになるだろう。ぜいたく税を払いたくないオーナーでは難しい」と続けた。

 大谷に関しては、今夏のトレード期限で「エンゼルスはトレードの大きなチャンスを逃した」と指摘。「(今季と来季の)2シーズン分の優勝争いを助けられる時期(=今季中)にトレードしていれば、エンゼルスは莫大(ばくだい)な見返りを得られた。今後もトレードすればいい選手が獲れるだろうから、また放出を検討するのかもしれない。ただ、次のオーナーの希望を考慮しなければいけないから簡単ではない」との見方を示した。

 一方で、大谷の放出については、ファンの拒否反応を避けた可能性もあり、今後も決断に影響を与えるという。「新オーナーになってすぐに大谷を放出したらファンに嫌われるだろうから、自分がオーナーになる前に放出しておいてほしいと考えるオーナー候補もいるかもしれない。一方で、自分で決断したいと願う候補もいるかもしれない」とした。

 球団の売却自体は、今後チームを前進させると強調。「一つ言えるのは、チーム売却はアナハイムのファンにとってはいい方向性だということ。モレノ氏はオーナーとして良い仕事をしていたとは、とてもじゃないが言えないからね」と笑みを交えつつ言い切った。(取材・構成 杉浦大介通信員)

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2022年8月25日のニュース