DeNA・康晃、史上最年少200セーブ 9回2死からわずか2球締めで大魔神・佐々木超えた

[ 2022年8月25日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA4―0阪神 ( 2022年8月24日    京セラD )

<神・D>通算200セーブを達成した山崎(撮影・成瀬 徹) 
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 DeNAの山崎康晃投手(29)が24日、阪神戦で今季30セーブ目を挙げ、史上8人目の通算200セーブを達成。29歳10カ月での到達は「大魔神」と呼ばれたOBの佐々木主浩(当時横浜)の30歳6カ月を抜く最年少記録となった。チームも18年以来4年ぶりの8連勝。首位・ヤクルトとは4ゲーム差のままだが、26日からの直接対決3連戦(横浜)に向け、勢いを増している。 

 わずか2球。そこには、山崎の生きざまが詰まっていた。ともに代名詞のツーシーム。低めに沈む最大の武器で、糸原を中飛に仕留めて、グラブをポンと叩いた。史上最年少の200セーブ達成。「1年目から積み重ね、今日でようやく200セーブ。皆さんに感謝の気持ちを伝えたい」と記念ボードを掲げた。

 7回に桑原の満塁弾で4点先制。9回はセーブ機会ではない4―0で始まった。だが、4番手の平田が2死から大山、原口に連打され一、二塁。セーブシチュエーションとなり「(ピンチになったら)登板はあると言われていた」とマウンドに上がり、落ち着いて最後のアウトを奪った。

 千里の道も一歩から。今でも最も思い出に残るセーブは、プロ初セーブだ。1年目の15年3月31日の広島戦。「恥ずかしげもなく、お母さんとハグして、ウイニングボールを渡せた。あのボールから始まった」。昨年10月、51歳の若さで亡くなったフィリピン人の母・ベリアさんの顔が浮かんだ。

 15年に37セーブを挙げ新人王。18、19年は2年連続最多セーブのタイトルを獲得した。だが、20、21年は2年で計7セーブと不振に陥り、配置転換も経験。「食べ過ぎ、太り過ぎ」で体の切れがないと批判が出る中でも、菓子はやめられなかった。「お母さんはずっと許してくれた。実家ではリラックスして、と。チョコレートもポテトチップスも食べていた」。だが、ベリアさんの死をきっかけに改心。「腹をくくった。今はお菓子の量は制限している」と厳しさを取り戻した。

 技術面でも初心に戻り、オフから春季キャンプにかけて外角低めの直球を磨き続けた。三浦監督は山崎の「アウトロー」の球威回復を認め、開幕直前に「クローザーで行くぞ」と通達。守護神の座に返り咲いてこの瞬間を迎え「母はこの瞬間に立ち会えなかったけど、見守って僕を応援してくれていると思う。丈夫に産んでもらったので強い体で戦い続ける」と気持ちを新たにした。

 試合後は「IT’S JUST A MILESTONE(単なる通過点)」と記されたTシャツを着た。記録を超えた偉大な先輩「大魔神」佐々木には、まだ及ばないという謙虚な思い。「長年の夢である胴上げ投手に必ずなりたい」。大魔神が君臨した98年以来の優勝へ、天国の母と一緒に戦い続ける。(大木 穂高)

 ▼DeNA・三浦監督 最後のアウトを取るのが一番難しいと言われる中、それを締め続けてきた。セーブが付く状況になったのは分かっていたよ。おめでとうと言いたいけど、まずは次、201セーブを目指してもらいたいね。

 ▼武居邦生氏(14年ドラフト時の担当スカウト。現日本海オセアンリーグ・スカウト統括部長) 正直、200セーブを達成する投手になるとは思っていなかった。とにかく大学では直球が素晴らしくて、それが指名した最大の要因。当時は先発でいけると思っていたが、抑えの魅力も球団内では話されていた。帝京では前田監督、亜大では生田監督、DeNAでは中畑監督と、康晃は人に恵まれた。スカウトにも恵まれていたんじゃないの(笑い)。本当におめでとう。

 ≪佐々木の30歳6カ月より早い29歳10カ月≫山崎(D)が24日の阪神戦で今季30セーブ目を挙げ、通算200セーブを達成した。プロ野球8人目。初セーブは15年3月31日の広島戦。29歳10カ月での達成は98年佐々木主浩(横浜)の30歳6カ月を24年ぶりに更新する史上最年少記録になった。また、シーズン30セーブ以上は19年以来5度目で、岩瀬仁紀(中)の9度に次ぎ、サファテ(ソ)に並ぶ歴代2位タイに浮上した。

 ◆山崎 康晃(やまさき・やすあき)1992年(平4)10月2日生まれ、東京都出身の29歳。帝京では2年夏、3年春に甲子園出場しともに8強。亜大では東都リーグ通算15勝6敗。14年ドラフト1位でDeNA入団。1年目の15年に新人最多記録となる37セーブを挙げて新人王に輝いた。18年から2年連続で最多セーブのタイトルを獲得。昨夏の東京五輪では日本代表として金メダルを獲得。1メートル79、88キロ。右投げ右打ち。

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