パイレーツの新人クルーズが打球速度のメジャー記録を更新 大谷の左打者記録も上回る196・9キロ

[ 2022年8月25日 08:11 ]

史上最速の打球速度を記録したパイレーツのオニール・クルーズ(AP)
Photo By AP

 ドミニカ共和国出身のパイレーツの新人遊撃手、オニール・クルーズ(23=201センチ、100キロ、右投げ左打ち)が24日、地元ピッツバーグ(ペンシルベニア州)で行われたブレーブス戦で放った打球の速度(初速)が122・4マイル(196・9キロ)を記録。これはメジャーがデータ解析ツールの「スタットキャスト」を導入した2015年以降では最速の数値となった。

 1番・遊撃で先発したオニールは3回2死一塁の場面で、ブ軍先発のカイル・ライト(26)の投じた91マイル(146・4キロ)のストレートをジャストミート。打球はPNCパーク右翼にある高さ6・4メートルの「クレメンテ・ウォール」を直撃して跳ね返った。打球があまりに強烈だったために二塁までは進めずシングルヒット。しかし打球の初速は“メジャー新記録”となった。まさにミサイルのような打球で、ブレーブスのブライアン・スニッカ―監督は「壁に当たって良かった。もう少し高かったら、誰かがケガをしていたかもしれない」とコメントしている。

 スポーツ専門局のESPNによれば、120マイル(193・1キロ)以上の初速が計時されたのはこれが17回目だが、過去16回のうち14回がヤンキースの右打者、ジャンカルロ・スタントン(32=198センチ、111キロ)がマーリンズ時代を含めて記録したもの。これまでの最速は過去2回計測された122・2マイル(196・6キロ)で、クルーズはスタントンの記録を0・2マイル上回った。

 左打者の最速は今年4月10日のアストロズ戦で記録した119・1マイル(191・6キロ)でクルーズはこれも更新。同選手のこれまでの自己最速は過去2回記録していた118マイル(189・9キロ)だった。

 クルーズは16歳だった2015年にドジャースと契約。2017年7月にトレードでパイレーツに移籍していた。昨年の10月2日にメジャーに昇格。2試合目となった3日のレッズ戦(シーズン最終戦)で初本塁打をマーク。今季はここまで52試合に出場して打率・199、10本塁打という成績だった。

 またクルーズは7月14日のマーリンズ戦で遊撃手としての送球の際に97・8マイル(157・4キロ)を記録。打球だけでなく送球でも内野手としての最速記録を樹立している。

 打球速度の記録更新について「記録を抜いたことはとても意味が大きい。今日の試合(2-14の大敗)から前向きになれることはあった」とクルーズ。パ軍のデレク・シェルトン監督は「ボールが焦げたね。良いスイングだった。私たちにとっても励まされる」と称えた。

 試合はブレーブスが14―2で勝って3連勝で78勝48敗。敗れたパイレーツは5連敗で47勝77敗となった。

 *1マイル=1・609キロとして換算

続きを表示

この記事のフォト

2022年8月25日のニュース