日大豊山が取り戻した原点「楽しく強く」 高橋啓斗主将「本当に1つになるために…」

[ 2022年7月11日 11:39 ]

第104回全国高校野球選手権東東京大会・1回戦   日大豊山 11―0 青山学院 ( 2022年7月11日    神宮 )

チームをまとめる高橋啓斗主将(3年)(撮影・柳内 遼平)
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 00年夏以来の甲子園出場を目指す日大豊山は、青山学院に11―0で5回コールド勝ちした。2回は打者14人の猛攻で10得点。西東京も含めた東京大会の神宮球場での「開幕戦」で完勝。大会直前に喫した大敗がチームを1つにした。

 総仕上げとなるはずだった最後の練習試合。西東京の佼成学園に1―16の大敗を喫した。投打ともに完敗。厳しい練習で積み重ねてきた自信は砕かれ、選手はどこに向けていいか分からない怒りを抱え、お互いを責めた。そんな状況で、外野手の高橋啓斗主将(3年)は「原点」に帰った。

 「自分たちのテーマは“楽しく強く”最後の夏を控えて選手に勝たないといけない責任感が生まれてしまった。支えてくれた保護者を悲しませてはダメ。自分たちらしく、明るさを出して前に進まないといけない」

 日大豊山には剛腕がいるわけでもない、超高校級スラッガーがいるわけでもない。今年の3年生は仲が良く、一体となって戦うチーム力が売りだった。高橋主将は分裂しかけている逆境でも「チームが本当に1つになるために、壁を乗り越えることは良いきっかけにもなる」とプラスに捉えた。

 主将として選手1人1人に語りかけた。「このメンバーで戦うのはこの夏が最後」「一番暑い夏にしよう」。衝突しながらも、少しずつチームは本来の姿を取り戻していった。迎えた大会初戦では攻守ともに実力を発揮。初戦で自分達の野球をやりきった日大豊山。勢いに乗り、16日の次戦は海城に挑む。(柳内 遼平)


 ◇高橋 啓斗(たかはし・けいと)2004年(平16)6月18日生まれ、埼玉県朝霞市出身の18歳。朝霞第五小2年時に若松ブルーウイングスで野球を始める。朝霞第三中では軟式野球部に所属。日大豊山では1年秋からベンチ入り。高校通算1本塁打。50メートル走6秒3。遠投100メートル。1メートル70、73キロ。右投げ右打ち。

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2022年7月11日のニュース