加古川西、第1シード校撃破で3回戦進出 先発・太田が2試合連続完投

[ 2022年7月11日 16:34 ]

第104回全国高校野球選手権兵庫大会・2回戦   加古川西5―1北須磨 ( 2022年7月11日    明石トーカロ )

1失点完投した加古川西・太田恭介                               
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 初戦で昨夏の兵庫大会準優勝校の関西学院を破った加古川西が、第1シード校・北須磨も撃破して3回戦に駒を進めた。

 9日の関西学院戦から中1日の登板間隔で先発した太田恭介投手(3年)は、初回に味方失策も絡んで1点を失い、劣勢に立った。だが、浮足立つことはなかった。援護を信じていたからだ。左腕が期待していた通り、打線は2回、積極攻勢で反撃に転じた。

 ベンチは1死一塁から果敢に動いた。6番・横山司(3年)の打席でヒットエンドランを敢行。打球は右前打となって1死一、三塁と好機を拡大し、7番・中務真登(3年)の中前適時打で、まず同点に追いついた。なおも1死満塁から9番・大垣幸誠(2年)がスクイズを決めて、勝ち越しに成功。試合の主導権を握ると、5回1死二、三塁では5番・山本幹二(3年)が中前2点打を放った。8回には茨木琉之介主将(3年)の適時打で5点目を奪った。終始、試合を優位に進めた。

 打線の援護に力を得たマウンド上の太田は2回以降、本来の姿を取り戻し、相手打線に凡打の山を築かせた。4点リードの9回に2死満塁のピンチを招いても動じることなく、最後の打者を右邪飛に仕留め左拳を握った。終わってみれば計136球を投げ、5安打1失点完投。「最速は135キロも行かないくらいと思います」と自嘲気味に振り返った直球に、スライダー、カーブなどを織り交ぜて10三振を奪った。

 昨秋の反省が、最後の夏に生きた。秋季県大会3回戦の神戸弘陵戦で1失点完投から、この日と同じ中1日で東洋大姫路との準々決勝に先発完投したが、0―2で敗れた。「あの試合を反省に、しっかり体力を付けてきました」と太田。悔しい敗戦を糧にして学び、汗を流し、そして成長へとつなげた。

 昨秋の新チームから指揮を執る吉本純也監督は「太田はしっかりと落ち着いて、投げてくれました。関西学院戦よりも良かったんじゃないですか」と左腕を称えた。加古川西OBで、今夏が同校での夏の大会初采配となった指揮官。自身は高2夏の90年に、1番打者として4強入りを果たした経験を持つ。前任校の姫路南を公立の実力校に鍛え上げたノウハウもある。「一つ一つ、しっかり戦っていきたいと思います」。昨秋8強の実力は、本物だ。

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2022年7月11日のニュース