阪神・矢野監督 首位と15・5ゲーム差も大逆転V諦めない 中止ヤクルト戦を“最終決戦”に変えてみせる

[ 2022年7月11日 05:15 ]

<ヤ・神 中止>練習を見つめる矢野監督(撮影・北條 貴史)
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 決して諦めない。阪神・矢野監督が10日、ヤクルト戦の2試合連続中止を受けて、改めてリーグ優勝への決意を口にした。すでに自力優勝は消滅し、15・5差を離されている状況でも、可能性がゼロでない限り目標は一つ。中止となった試合はシーズン終盤に組み込まれる見込みで、奇跡の大逆転Vを思い描いた。

 「もちろん良いことは想像して。春先、あれだけ苦しかったところから、みんなで何とかここまで来られた。ここからひっくり返すことになったら、とんでもない歴史的な年になると思うし。(選手)みんなも思っていると思うし、それをヤギ(青柳)が代弁して言ってくれている」

 8日のヤクルト戦で8―0の完封勝利に導いた青柳が、ヒーローインタビューで「僕たちはまだ優勝を目指しているので、トップのチームと戦わないと、という気持ちで投げていた」と熱く語った。それがナインの総意であり、指揮官自身が強く信じているところだ。開幕9連敗の地獄を味わい、4月23日には最多の16あった借金を、2カ月半で5まで返済。周囲からは絵空事と思われようが、頂点だけを目指す姿勢は変わらない。

 猛虎の節目も迫っている。球団通算5500勝まであと6。巨人との「伝統の一戦」から始まる12日からの甲子園6連戦で一気に到達の可能性もある。この6連戦は限定ユニホームを身にまとう「ウル虎の夏」として開催され、前半戦のラストスパートのきっかけとするには最適だ。

 「伝統ってやっぱり大事にしていきたい。今季も今のところ一番(客が)入ってくれている。そういうことも含めて、オレらだけでつくれるものじゃないから。本拠地で戦えるのでよりパワーをもらえたり、一つになれるということはある」

 どんな形で監督最後の秋を迎えるか。まずは前半残り12試合で借金5を完済し、後半戦の大逆襲の態勢を整えたい。(山添 晴治)

 【過去の大逆転優勝】
 ☆63年西鉄 7月12日に首位・南海と14.5差。後半巻き返し、残り4試合を3勝1分け以上で、先に全日程を終えた南海を逆転できる状況で4連勝して優勝。14.5差からはプロ野球最大の逆転劇となっている。

 ☆96年巨人 7月6日に首位・広島と11.5差の4位から、先発の斎藤雅やガルベス、救援陣が踏ん張りを見せ追い上げ。松井が38本塁打するなど主軸として成長。長嶋監督の「メークドラマ」は流行語大賞にもなった。

 ☆08年巨人 7月9日に首位・阪神と13.0差の3位も9月に12連勝するなど巻き返しに成功。初首位は131試合目で、優勝決定までの首位日数はわずか11日。96年以上の大逆転劇は「メークレジェンド」と呼ばれた。

 ☆16年日本ハム 6月24日に首位・ソフトバンクと11.5差の3位。その後、球団新記録の15連勝などで反撃。最終的には全球団に勝ち越した。優勝決定の9月28日西武戦では大谷が1安打完封で胴上げ投手になった。

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2022年7月11日のニュース