西武・山川“変態打ち”27号 両膝折って軸足引く常識離れのスイング!首位1差接近貢献

[ 2022年7月11日 05:30 ]

パ・リーグ   西武6―3楽天 ( 2022年7月10日    楽天生命 )

<楽・西>5回、山川が2ランを放つ(撮影・沢田 明徳)
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 「変態打ち」で首位に肉薄だ。西武・山川穂高内野手(30)が10日、楽天戦の5回に27号2ランを放ち、3連勝につなげた。本塁打リーグトップを独走する主砲は、軸足を捕手側に引き、体を沈ませてボールを捉え、バックスクリーン左に運んだ。先制二塁打を含む3安打3打点と活躍し、チームは楽天戦6連勝で今季最多の貯金6。首位・ソフトバンクに1ゲーム差に迫った。

 飢えたライオンのようにいったん身をかがませると、山川は一気に獲物に襲いかかった。「真っすぐに反応するためです。いいバットの出し方ができたホームランでした」。野球の常識からはかけ離れた打ち方だ。

 早川が投じたのは低めの144キロ直球だった。2点リードの5回無死二塁。打席では「タイミングを合わせるだけ」と考えていた。ソフトバンク・柳田らに代表される、セオリーから外れたフォームによる快打。いわゆる「変態打ち」の山川バージョンの一連の流れは、こうだ。

 (1)「低め」と判断した瞬間、両膝を折る。

 (2)変化球にも対応できるように構える中、来たのは直球。通常なら差し込まれる。そこで、普通は固定したままの軸足を捕手側の後方に引いた。これでグリップとボールの間の「距離」を稼いだ。

 (3)直球を呼び込み、すくい上げる。

 狙い通りバックスクリーン左へ運ぶ27号2ラン。辻監督は「いい時の状態の打ち方。低めの変化球を拾える」と分析。軸足を後方に引くことで「真っすぐも捉えられる」と、好調時の打撃フォームだと分析した。初回には左翼線へ適時二塁打し、本塁打とともにリーグトップを独走する打点は56に。早川からは今季計10打数6安打で4本塁打と大当たりだ。

 14年の入団時には球団関係者から「(アニメ映画の)カンフー・パンダみたいだ」と評された。100キロ超の体形ながら、バック宙もできる。この日はパンダではなく、獅子のような素早い動きと軽い身のこなしを生かした変則打法で一発を放った。

 チームは貯金を今季最多の6とし、最大8・5ゲーム差あった首位とは1差に。最短で13日にも今季初めて首位に浮上するが、「ゲーム差は動くので目の前の試合を勝ち抜くだけ。やるべきことをやるだけ。勝利に貢献したい」。目の前の獲物に集中し、一振りで仕留める。(神田 佑)

 ≪勝利打点は12球団トップ≫山川(西)が初回に決勝二塁打、5回には27号2ランを放つなど3安打3打点の活躍。今季の勝利打点は14個目で、村上(ヤ)の13個を上回る両リーグ単独トップになった。主砲の活躍もあってチームは6月24~26日楽天戦以来、今季2度目の同一カード3連戦3連勝。対楽天戦は6連勝となり、首位・ソフトバンクには1ゲーム差に接近した。西武が、首位に1ゲーム差まで迫るのは3月30日以来だ。

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2022年7月11日のニュース