阪神・近本 球団生え抜き外野手初のフルイニング出場に意欲「やらないと分からない世界もある」

[ 2022年7月11日 05:15 ]

「be LEGEND」の文字を背にバッティンググローブをつける近本(撮影・北條 貴史)
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 阪神・近本光司外野手(27)が自身初のフルイニング出場に意欲を示した。目下開幕から83試合連続でフルイニング出場を続けており、12球団でも近本ただ一人。残り60試合もフルイニング出場となれば、生え抜き外野手では球団史上初の快挙となる。この日も対戦相手のヤクルトに新たな新型コロナウイルス陽性者が出たため、2日連続で試合は中止。チームは神宮球場で全体練習を行った。

 過去の自分を越えた先に新たな世界が待っている。そう信じて、近本は4年目で自身初となるフルイニング出場を目指す覚悟を口にした。

 「(フルイニングの)可能性があるのなら若いうちはやっていきたい。やらないと分からない世界もあると思う。しんどいといっても1イニング、2イニングを残して交代したところで、体力は変わらない。その1、2イニングを頑張って、その先に見える世界のほうが楽しみなので」

 今季のフルイニング出場達成の権利は、近本だけが持っている。7月10日時点で12球団を見渡しても、ただ一人。これまでの自己最長は、19年7月4日のDeNA戦から翌20年6月30日の中日戦にかけての76試合だった。開幕から83試合はすでにキャリアを更新しているが、年間を通してフルイニング出場した経験はない。

 昨季の苦い経験を生かした。19年4月11日のDeNA戦から392試合連続出場していたが、右太もも裏の張りを訴え最後の3試合を欠場。試合に出続ける難しさを痛感した。

 「今年は(調整を)ずっと(自分で)させてもらっていますし、練習しないこともあった。調整をどういうふうにするかと(考えている)。調整をビビらずにできるかどうかだと思う」

 6月下旬からはコンディションを最優先し、試合前練習ではグラウンドでの打撃練習を行わない日もあった。フルイニング出場を見据えた上での、勇気ある決断。疲労が蓄積されていく中、極力、体力の温存に務めてきた。「全試合、全イニング出たいことも俺は知ってるし、監督もそれは知っている。途中でチカ(近本)を変える選択はこれからもないでしょう」と井上ヘッドコーチ。首脳陣からも背中を押され、新境地に一歩ずつ前進している。

 5月28日のロッテ戦から7月6日の広島戦までは、球団1位タイの30試合連続安打を記録した。101安打はリーグ最多。3番に定着した6月1日から、チームは18勝10敗1分けと上昇気流を描く。12日の巨人戦からは9連戦がスタート。対戦打率・356はリーグ別で最高だが、気負いはない。近本らしく「やることは一緒だと思う」と自然体を強調した。(長谷川 凡記)

 《鳥谷以来7年ぶりなるか》今季阪神で開幕から全試合出場は近本、佐藤輝、中野の3人で、近本だけが全イニング出場を継続中。閉幕まで全イニングに出場すれば、チームでは15年の鳥谷敬以来7年ぶり。外野手では09年金本知憲以来13年ぶり。生え抜き外野手では球団初の達成になる。なお近本は昨季のラスト3試合を欠場しているため、連続試合出場自体は今季開幕からの83試合。継続中の記録でチーム最長は中野で、昨年7月3日からの153試合。佐藤輝の昨年10月21日から87試合が続き、近本は3番目。

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2022年7月11日のニュース