常葉大菊川148キロ右腕・安西、8回零封発進!11球団スカウトも絶賛「甲子園に出たら目立つな」

[ 2022年7月9日 19:06 ]

第104回全国高校野球選手権静岡大会   常葉大菊川4―0市立沼津 ( 2022年7月9日 )

今大会初戦で8回無四死球による5安打8三振無失点と好投した常葉大菊川のプロ注目右腕・安西
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 熱戦の火ぶたを切り1回戦22試合が行われた。ノーシードの優勝候補で常葉大菊川のプロ注目最速148キロ右腕・安西叶翔(3年)が、評判通りの力で市立沼津打線をねじ伏せ初戦を突破した。プロ11球団のスカウトが見つめる中、8回を無四死球5安打8三振無失点の好投。7安打4得点と硬く振るわなかった味方打線を救った。

 プロ志望届提出を宣言する安西が、ラストサマーとなる掛川のマウンドで躍動した。初回に自己最速に2キロと迫る146キロを計測。入りを3人で料理して以降は、6回まで内野安打1本だけと完璧だった。7、8回こそ連打で一、二塁のピンチを背負ったが、いずれも狙い通りの内野ゴロで要所締め。終わってみれば三塁を踏ませることなく、8回無四死球による5安打8三振無失点の快投だった。

 「初戦でチームを勢い付けさせる必要があると思って。絶対ゼロに抑える。真っすぐに力があったし、できて良かったです」
 球威があるからといって、力勝負はここ一番でしかしない。野手の足を動かして打たせて取る。少ない球数88球が全てを物語る。昨夏から3季連続で自身が敗戦投手。御殿場西との今春静岡県大会初戦も4イニングで被安打1ながら、力んで制球を乱し満塁から走者一掃を浴びて敗れた教訓があるからだ。

 ネット裏に陣取った11球団のスカウト株も暑さ同様、上昇した。日本ハムの大渕隆GM補佐兼スカウト部長は「まず体が素晴らしいし、プロらしい手足の長さ。思った通りに投げられるコントロールも良い。甲子園に出たら目立つな。評価が高くなる」と大絶賛。巨人の榑松伸介スカウト部次長も「パワーと柔軟性を兼ね備える。素晴らしい。力を入れたらすぐ145キロは出るし」と評価し、ロッテの小林敦スカウトも「力を抜いてまとめられる。マウンド上で余裕があるし、春から成長している」と表情が緩んだ。

 先月26日、慶応(神奈川)との練習試合で4回10安打8失点。ほぼ無失点だった県大会以降、初めて打ち込まれた。「まだまだ力が足りないということ。あのまま打たれないで行ったら自分の立ち位置がわからなかったと思います」。髪の毛をカミソリで剃って挑む気合の安西がさらにギアを上げる。(小澤 秀人)

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2022年7月9日のニュース