鹿児島実、下克上発進 春の九州王者・神村学園を撃破! 先発左腕・赤崎が延長11回を149球1失点

[ 2022年7月9日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権鹿児島大会1回戦   鹿児島実2-1神村学園 ( 2022年7月8日    平和リース )

<神村学園・鹿児島実>延長の末に神村学園を破った鹿児島実ナインは歓喜の輪
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 各地区で計58試合が行われた。鹿児島大会は春の九州大会王者の神村学園とノーシードの古豪・鹿児島実が1回戦で激突。鹿児島実が先発左腕、赤崎智哉(3年)の力投で延長11回、2―1で競り勝った。

 横綱同士、1回戦屈指の好カードを鹿児島実が制した。ヒーローは3年生左腕の赤崎。「神村学園は強打のチーム。決め打ちをしてくるので的を絞られないようにした」と緩いチェンジアップを効果的に使い、3回まで毎回奪三振。1点リードの4回に四球と自らの2暴投などで同点とされたが、それ以降は延長11回まで7回連続無失点の粘り強い投球が光った。

 赤崎は昨夏に左肘を疲労骨折。一時は痛みで肘を伸ばすこともできず秋はリハビリに専念した。今春県大会も出番は2イニングだけ。回復を優先して夏に備えた。蒸し暑いマウンドで「体力的には限界だった。9回から両足がつってきた」と苦しみながらも延長11回149球を投げ抜いた。

 マウンドの赤崎を支えたのは急造の3年生捕手、浜崎綜だった。「力んで四球を出すより力を抜いて打たせて取ろう」とリード。同点の延長11回2死満塁には「ここで自分が決めてやる!と気持ちひとつで打った」と右前勝ち越し打を決めた。外野手から6月に捕手へコンバート。「ワンバウンド捕球の練習を繰り返した」と捕逸なしで成果を示した。

 神村学園が甲子園春夏5回ずつの出場を誇り、今春の九州大会も制覇したシード校なら、鹿児島実はノーシードながら夏の甲子園19回、選抜も9回出場の名門。宮下正一監督(49)は「神村の強打線を抑えるなら初戦しかチャンスはないと思っていた」。秋も春も投げさせなかった“秘密兵器”赤崎を押し立てて“下克上”の初戦突破。古豪反攻ののろしだ。(中島 泉)

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2022年7月9日のニュース