西武・山川 根性のマン振り弾!投球が後頭部通過直後にキング独走26号2ラン

[ 2022年7月9日 05:30 ]

パ・リーグ   西武8ー4楽天 ( 2022年7月8日    楽天生命 )

<楽・西>9回、26号2ランを放つ山川(撮影・沢田 明徳)
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 漫画「巨人の星」で星飛雄馬が投じた「大リーグボール1号」と同じ軌道だった。構えたバットに当てて凡打にする魔球。西武・山川は目を見開いた。「ボールが大きく見えました。危ない!と」。酒居の投球が後頭部を通過。バットに当たり、ファウルとなった。

 リードを2点に広げ、なお9回1死二塁。右腕に目をやり苦笑いした。直前の2球も内角を突かれていた。「相手もプロ。基本的にコントロールはいいし、この1球だけだろう」と切り替え、心に決めた。恐れを振り払い、踏み込む。続いて投じられたフォークを豪快にフルスイングした。

 「完璧でした」という打球は左翼席中段へ。「(直前が)危険な球で、あの後に本塁打で“よっしゃっ”となった。(酒居を)けなすわけではなく、自分の中で打てたのがうれしかった」。26号2ランでとどめを刺した。

 疲れも吹き飛んだ。今季6試合目の移動試合でチームは初勝利。オリックスとの前カードは4時間超えの延長戦が2試合もあった。大阪から仙台まではバス―飛行機―バスを乗り継ぎ到着。「移動ゲームで(一発が)出てよかった」と喜んだ。

 同球場は昨年の球宴で本塁打競争に出場した舞台。オリックス・吉田正との決勝は延長にまでもつれて敗れた。今年は最多得票で4度目の出場を決め「そろそろ優勝したい」と牙を研ぐ。初回に先制適時打も放っており3打点を加えて53打点。本塁打と2冠を走る。

 チームは2位・楽天と0・5ゲーム差に縮めた。「最後に(試合を)決められてよかった」と山川。4番のプライドを込めた、魂のフルスイングだった。(神田 佑)

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2022年7月9日のニュース