侍ジャパン・栗山監督「逆算」ローテ 来年3月開催発表、WBCで大谷と世界一奪還へ

[ 2022年7月9日 05:30 ]

あいさつに来た吉田正と話す栗山監督(左)(撮影・後藤 正志)
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 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は7日(日本時間8日)、コロナ禍で延期されていた「第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の来年3月の開催と1次ラウンド組分けなどを正式発表。連覇を果たした09年以来の頂点を狙う日本は韓国、オーストラリアなどと同じB組に入った。栗山英樹監督(61)は決勝まで逆算した先発ローテーションに言及。二刀流のエンゼルス・大谷翔平投手(28)の起用法が世界一へのポイントとなる。

 世界の頂点への道筋がついた。組み合わせ決定を受け、栗山監督はオリックス―ロッテ戦の視察に訪れた京セラドームで、就任時から掲げる世界一奪回への覚悟をにじませた。

 「一野球人としては、楽しみでたまらない。ただ、監督としては責任と怖さを改めて感じる」。強い口調でそう話すと世界一へ向けたプランも明かした。「世界一しか目指さない。やるからには逆算。どういう形なら勝つのかを考える」。決勝まで逆算したローテーションを考えており「誰をどこに使うのかはギリギリまで引っ張るつもり」と続けた。

 1次ラウンドと準々決勝は東京ドーム、準決勝と決勝は米マイアミが舞台。どうローテーションを組むか。最大の注目は日本ハム時代に“師弟”だった二刀流・大谷の起用法だ。世界一まで勝ちきるため「投手・大谷」を最大限に生かす必要がある。栗山監督は就任時に「僕の中では、いつも打者・大谷と投手・大谷が2人いる」と話し全体像の中でどう使えばチームが勝ちやすくなるか考えていた。

 オリックス・山本、ロッテ・佐々木朗、さらにパドレス・ダルビッシュらも含む先発候補をどこで投げさせるか。トレードの可能性が浮上している大谷は今オフまでに移籍すれば出場は微妙となるが、17年は故障で出場辞退している大谷のWBCへの思いは栗山監督が一番理解している。

 日本は06、09年に大会を連覇も13、17年は準決勝で敗退。6年ぶりに開催される大会で栗山監督は「五輪でもオーストラリアに痛い1敗とか、韓国との死闘とか、そういう戦いになる」と警戒する。世界一奪回への戦いは、もう始まっている。(秋村 誠人)

 ≪オリックス由伸の出場意欲に喜び≫栗山監督は試合前にオリックス・山本をグラウンドで激励。山本が「(WBCは)世界一を競う大会。個人的にも出たい気持ちは凄くある」と出場に強い意欲を示すと「凄くうれしい。日本の野球のためにというのは凄く大事。そういう選手たちが集まってWBCは戦うべき」と話した。また侍ジャパン強化委員長も務める日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長はオンラインで対応し、1次ラウンド突破への難敵となる韓国戦に向け「栗山監督から(韓国に)視察に行く希望は出ると思うので対応したい」とサポートを約束した。

 ≪B組開幕3月9日 1次R東京D開催≫第5回WBCは来年3月9日、台湾・台中でのA組と日本が入ったB組の1次ラウンドで開幕する。B組1次ラウンドは東京ドームで行われ、韓国、中国、オーストラリア、予選通過チームの5カ国で総当たり戦を行い、上位2チームが東京ドームでの準々決勝に進む。ここを勝ち抜けば19、20日(日本時間20、21日)の準決勝に進出。21日(同22日)の決勝とともに米フロリダ州マイアミが舞台となり、マーリンズの本拠地ローンデポ・パークで行われる。

 ▼巨人・原監督(09年WBCで監督として世界一)栗山監督は経験値もあるし、自分の野球をやってもらえればいい。強いチームをつくって活躍してくれることを願うばかりです。

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2022年7月9日のニュース