阪神・矢野監督 スアレスに直接思い伝えた“スアちゃん頼むぞ” メジャー志向の守護神に残留お願い

[ 2021年11月11日 05:30 ]

全体ミーティングで話す矢野監督(球団提供)
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 阪神の矢野燿大監督(52)が10日、2年連続セーブ王に輝き、メジャーの複数球団が獲得調査を進めるロベルト・スアレス投手(30)の引き留めへ“直接出馬”し熱い「ラブコール」を送ったことを明かした。チームはこの日に甲子園施設内で全体ミーティングを実施し、きょう11日から秋季練習を本格始動させる。

 熱い思いをぶつけた。スアレスにメジャー志向があり、実力も十分に通用することは分かっている。それでも、今の猛虎には絶対不可欠な存在。矢野監督は右腕の帰国前に自ら“残留交渉”した。

 「別れ際の気持ちとしては、しっかり伝えた。個人の夢や決断というのはある。それは尊重しないとダメなんで、そこは受け入れながら、でも“スアちゃん頼むぞ”ということだけは、お願いというとなんだけど…。“オレらの気持ちはこうだからな”というのは伝えた」

 この2年間、勝つための継投策は「いかにスアレスにつなぐか」が全てだったといっても過言ではない。初タイトルを獲得した昨季からさらに成長し、今季は62試合で42セーブ、防御率1・16の圧倒的成績で連続セーブ王。指揮官も「本当に最後にスアちゃんっていうのはすごい安心感」と全幅の信頼を置いてきた。

 ただ、レベルの高い日本での大活躍にはメジャー球団も黙ってはいない。昨オフに2年契約を結んでいるが、2年目はスアレス側に選択権があり、海外移籍は可能。矢野監督も「外国人選手はFAみたいなものなのでね。毎年、毎年」と理解を示しながらも、球団フロントにも残留交渉に全力を尽くしてほしいのが本心だろう。

 昨オフの帰国前にも「来年一緒に優勝するぞ!」とラブコールを送り、結果的に再契約した“実績”もある。10日夜に離日した右腕の動向は、V奪回を期す来季構想の根幹に関わる。再び思いが届くことを信じ、吉報を待つ。(山添 晴治)

 《来季スローガンは》1、2軍全選手が甲子園に集合してミーティングを実施。来季のスローガンを募る時間もありスタッフや選手から複数の案が上がった。矢野監督就任2年目からは同様の方式で決めており、20年の「It’s 勝笑(勝と笑をくっ付けた造語) Time!オレがヤル」は金村投手コーチ、今季の「挑・超・頂」は仲野伸洋トレーナーの発案。矢野監督は「みんなが参加することに一番意味がある。球団や監督だけで決めるスローガンって重みがないと思う」と説明。今後、案を絞り込み22年の“指針”を決める。

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