元守護神復活アピール!広島・中崎が紅白戦で2回完全 佐々岡監督高評価「良いときのザキのように見えた」

[ 2021年11月11日 05:30 ]

紅白戦   紅組5-2白組 ※特別ルール ( 2021年11月10日    マツダ )

紅白戦で2回完全投球を見せた中崎(撮影・河合 洋介)
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 広島は10日、マツダスタジアムで秋季練習開始後、初の紅白戦を行い、2軍から合流した中崎翔太投手(29)が2回完全投球でアピールに成功した。今季の自己最速となる150キロを計測するなど本来の球威が戻った。今季は登板4試合のみに終わり、リーグ3連覇時の守護神が完全復活に向けた第一歩を記した。

 ため込んだ鬱憤(うっぷん)を一気に吐き出すかのようだった。中崎が150キロを計測するなどし2回を完全投球。「いまさら、ここで腕が振れても…。シーズン中にできなかった悔しさと怒りがある」。若手に交じっての登板で、かつての守護神が復活への思いをぶつけた。

 1イニング目は林、石原、大盛に全球直球で3者凡退。その全てが凡飛で明らかに球に切れがあった。2イニング目は野間を一ゴロ、田中広を捕邪飛と実績組も直球で抑えた。17球中15球が真っすぐ。気温13度と冷え込む中で140キロ台後半を連発し、本来の球威に近づいていることを印象づけた。

 「明らかに腕が振れているというのは自分自身でも感じている。そこが一番だと思う。ここ1、2年出せていなかったものが出てきた。(捕手の)モチ(持丸)も真っすぐが来ているということだったので、直球中心になった」

 リーグ3連覇時の守護神も今季の登板は4試合のみ。19年11月に右膝、20年9月には右上腕部の手術を受けるなど体は悲鳴を上げた。手術明けの今季は手探りの状態が続きながら、10月の宮崎でのフェニックス・リーグにも参加し、手応えが戻ってきた。

 「体の使い方や動きが春先よりも良くなっている。そこが投球につながっている」

 現在は2軍に同行中で、今回の登板のために1軍に呼ばれた。今秋の実戦は来春の1軍キャンプ切符をかけた舞台で、佐々岡監督からは「(一番目立ったのは)やっぱりザキ。しっかりと腕が振れて球の強さもあった。良いときのザキのように見えた」と高く評価された。次クールでの登板を残すが、来春の1軍スタートに前進したことは間違いない。

 「少しでもチームに貢献することと力強い直球を追い求めてやっていきたい」。屈辱を晴らすための一歩目を、秋のマツダで踏み出した。 (河合 洋介)

 《中田、一岡は快投ならず》中崎と同様に2軍から合流して紅白戦に登板した中田と一岡は、快投とはいかなかった。中田は1回を無安打に抑えながら、2死から小園に四球を与えた。一岡は先頭の持丸に右越えソロを浴び1回1失点。佐々岡監督は「(2人とも)球にばらつきがあったけど、まだ1試合。いい球もあった。もう1試合見て(判断したい)」と次回登板に期待を寄せた。

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