ヤクルト・塩見 ナイス判断“神突入”だ!遊飛タッチアップで先制生還

[ 2021年11月11日 05:30 ]

セCSファイナルS第1戦   ヤクルト4―0巨人 ( 2021年11月10日    神宮 )

<ヤ・巨>初回1死一、三塁、村上の飛球で三走・塩見が生還(撮影・篠原 岳夫)
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 浅かった。タッチアップするには難しい飛球だ。それでも、三塁走者のヤクルト・塩見はタッチアップし、先制の本塁を陥れた。

 場面は0―0の初回1死一、三塁。4番・村上の打球はショート後方へ上がった。一度はハーフウエーに行きかけた塩見が三塁へ戻り、三塁ベースコーチャーの福地外野守備走塁コーチが「体勢が悪かったら思い切って行けよ」と一言。捕球体勢に入った遊撃手・坂本は本塁方向へ背を向けている。塩見に迷いはなかった。好判断と積極性。その2つがかみ合って、遊飛で悠々とホームインした。

 「ショートの坂本さんの体勢が悪かったので。(福地コーチの言葉で)思い切って走ることができた」。塩見はそう振り返った。

 直前の1死三塁で前進守備だった巨人内野陣は、3番・山田の四球で一、三塁となって併殺狙い。二遊間は下がって中間守備になっていた。外野陣は打席が4番・村上で定位置よりも後ろ。そこへ微妙な飛球が上がり、左翼手・ウィーラーより早く坂本が追いついたのだが、すぐに返球できる体勢には入れなかった。加えて飛球が左翼から右翼方向へ吹く風に流され、坂本は体を反転させて中継の三塁手・若林に返球するのがやっとだった。

 「あれは(山田)哲人か塩見しかできないプレー。いろいろな判断でスタートしたのは素晴らしかった」。高津監督も絶賛した。第1戦の初回。もしアウトになれば、CS全体の流れを失っていたかもしれない。逆に大きな勢いを生む価値あるタッチアップだった。(秋村 誠人)

 ▼巨人・元木ヘッドコーチ あれはもうしょうがないよ。塩見のナイスランじゃない?(左翼手のウィーラーが捕るのは)きついよ。風もあるし、難しい。

 《犠飛じゃない!》ヤクルト・村上の飛球の記録は「犠飛」ではなく「遊飛」。だが、打点1がついた。公認野球規則9.08(d)によると、無死または1死で打者が飛球を打ち、外野手または外野の方まで回り込んだ内野手が捕球し、走者が得点した場合に犠飛を記録する、としている。この場合、公式記録員が坂本が捕球した場所が「外野」ではないと判断した。

 《「2勝0敗」突破率95.8%》レギュラーシーズン1位のオリックスとヤクルトがともに勝ち、アドバンテージの1勝を加えて2勝0敗とした。日本シリーズ出場を懸けたプレーオフ、CSで2勝0敗は過去24チーム。そのうち、17年広島を除いた23チームが勝ち抜いており突破率は95.8%。

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