カープが「女子野球振興」に本気で着手「一過性で終わらせない」 OB起用、野球教室…一歩目刻む

[ 2021年10月22日 09:00 ]

「女子野球PRデー」として開催された14日の広島―DeNA戦(マツダ)に来場して部活動を宣伝した山陽高校女子硬式野球部ナイン(撮影・河合 洋介)
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 プロ野球が女子野球の振興に取り組んでいる。たとえば、阪神は今年から女子硬式野球クラブ「阪神タイガース Women」を始動。そうした中で、広島が地域とともに学生の環境改善などから一歩ずつ動き始めた。

 昨年末に同県の三次市、廿日市市が女子野球連盟から「女子野球タウン」として認定されたことがきっかけとなった。球団も「好きじゃけん女子野球 広島県!」を掲げて今年から本格始動。球団で地域担当室主任などを務める三雲曉さんは「広島には女性でも野球をやれる環境があり、行政も動き始めた。カープとしても何とかしてあげられるのではないか」と説明し、女子野球の振興と地域活性化に向けて策を練る。

 広島に限らず女子野球では「中学の壁」が大きな課題となっている。現在、同県内では約100人の女子小学生が男子と一緒に野球に励む。しかし、大半の中学校には女子野球部がなく、地域にも女子のみのクラブチームは少ない。ほとんどが中学進学とともに野球を辞めてしまうのだ。三雲さんは「一番の問題は、野球を続けたい女の子の受け皿がないこと。ここを球団として何とかしてあげたい」と奔走している。

 そこで、最初に取り組んだのが女子選手同士の交流の場を提供することだった。県内で女子野球教室を開催し、球団OBで今年4月に女子野球アンバサダーに就任した浅井樹氏らが指導する。同氏は「女性は本当に楽しそうに野球をしてくれる。男子とはまた違った目線で野球の魅力を伝えたい」と、今後も定期的に開かれる野球教室に出向く予定だ。

 広島は、マツダスタジアムで行われた今月14日のDeNA戦を「女子野球PRデー」として開催した。招待を受けて球場内で部活動を宣伝した山陽高校硬式野球部・真鍋凛主将は「出身の香川県には、中学の女子だけのクラブチームが県内に一つしかなくて、毎週1時間かけて練習に通っていました。中学校に入るときに野球を続けるかすごく悩んだ。でも野球が大好き。親に頼んで続けてきました。男子の野球部は絶対あるのに、女子は人数も環境も少ない。もう少し部活としても普及すれば、続けていける子も増えると思います」と女子野球を続けることの難しさを教えててくれた。

 22年度には広陵高校に女子野球部が創部予定と確実に一歩ずつ前に進んでいる。三雲さんは言う。「一過性で終わらせてはいけない。大会を開催したり、クラブチームができたりするのが理想だけど、いきなりは難しい。その最初が野球教室。10年、20年スパンでやりたい」。千里の道も一歩から。カープらしく、地域と一緒に考え、悩み、歩んでいく。(記者コラム・河合 洋介)

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