鈴木啓示氏 チームが勝利へ最善を尽くすのは当然 秋山は代えられた悔しさを次回登板で晴らせ

[ 2021年7月5日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-4広島 ( 2021年7月4日    マツダ )

<広・神(10)>3回2失点で降板した阪神・秋山(撮影・大森 寛明)
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【鈴木啓示 視点】秋山を早々と諦めたことに対する是非はあると思うが、チームがその日の試合の勝利に向け最善を尽くすのは当然のことだ。

 秋山はここまで6勝し広島戦は3戦3勝と好相性を誇っていたが、この日は投球内容も良くなかった。とりわけ、味方が得点した直後の守りというのは試合の流れからしても大事なのだが、リードが3点に広がった3回は下位打線の8番石原の安打から2点を失い、詰め寄られた。

 最近2試合連続で敗戦投手となり、前回6月27日のDeNA戦では5回を投げ3被弾するなど今季ワーストタイの6失点。首脳陣には、続投させて秋山自身に白黒を付けさせてやりたい思いもあったはずだが、目の前の勝ち試合を落とせないというところで、不安の方が勝った。さらなる得点でゲームの流れを再び、変えたい狙いがあったと推測する。

 逆に、広島は1点を追う4回2死一、二塁で森下に代打を送らず、そのまま打席に立たせた。このままでは黒星は付いても白星は付かない。もう一度、打順が回ってくるまでに逆転し、森下に白星を――の首脳陣の思いが感じられた。現状、広島は一つの勝敗が大きく左右することがない。チーム状況の違いがそのまま、采配にも表れた。

 秋山はチームの状況をしっかりと理解したうえで、この悔しさをバネに、糧にして、次回以降の登板で結果を出すしかない。“やられたら、やり返す”の気持ちがないとプロの世界では生きていけない。

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