キング目指すエンゼルス・大谷に壁…29&30号翌日に2申告敬遠1四球

[ 2021年7月5日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス4-1オリオールズ ( 2021年7月3日    アナハイム )

〈エンゼルス・オリオールズ〉2回、申告敬遠された大谷は一塁上でニヤリ(AP)
Photo By AP

 日本選手シーズン最多本塁打にあと1と迫るエンゼルスの大谷翔平投手(26)が3日(日本時間4日)、オリオールズ戦で自身初の1試合2度の敬遠四球など3四球。2打数無安打に終わった。メジャートップの30本塁打を誇る二刀流への警戒度は、最大級に上昇。今後も勝負を避けられる場面の増加は必至で、本塁打量産への大きな壁となりそうだ。

 期待の高さの分、失望も増大する。球場に響いた「MVP」コールは2度、激しいブーイングに変わった。大谷が打席にも立たずに、一塁へ向かう。3―0の2回2死三塁と、4―1の6回2死三塁で申告敬遠。初回の四球も含めれば3四球だった。

 1試合2度の申告敬遠は自身メジャー初。今季は5個目で、本塁打王を争うゲレロ(ブルージェイズ)らと並ぶリーグ最多となった。昨季、チームで与えた敬遠が2つだったオ軍のブランドン・ハイド監督は「今、リーグ最高の選手。今の大谷は別次元でゲームをしている」と説明。申告敬遠の後は3番レンドンを2度とも抑えて失点を防いだ。

 04年松井秀喜(ヤンキース)がマークした日本選手最多31本塁打にあと1本。本塁打王争いでは3本差でトップに立つが今後、勝負を避けられる場面が増えるのは確実だ。ジョー・マドン監督も「相手の考え方やアプローチの仕方にもよるが、そういったことも含めて考えていかないといけない。全力で大谷を守らなければいけない」と対応策を検討する意向を示した。

 故障で離脱中のトラウトが、球宴明けに復帰予定。2番・大谷、3番・トラウトの並びが復活するが、両者の調子次第では大谷が勝負を避けられる可能性も多分にある。

 四球以外の2打席では、甘い変化球を打ち損じて凡退。01年にメジャー新記録の73本塁打を放ったバリー・ボンズ(ジャイアンツ)は、04年に敬遠四球120のシーズン新記録を樹立。敬遠は強打者の証。その一方で、夢の本塁打王を目指すために、越えなければならない壁となる。(柳原 直之)

 《日本選手歴代5位》大谷がメジャー自身初の1試合2度の敬遠。メジャー通算では8度目となり、日本選手歴代5位になった。エ軍の1試合2度の敬遠は20年8月30日のトラウト以来だが、通算8度のトラウトを除くと、15年6月18日のプホルス(現ドジャース)以来6年ぶり。また、MLBの通算、シーズン最多敬遠はともにB・ボンズで、メジャー歴代最多の762本塁打。NPBの通算、シーズン最多敬遠記録も、NPB歴代最多868本塁打の王貞治が持っている。

続きを表示

この記事のフォト

2021年7月5日のニュース