巨人・炭谷、楽天に電撃移籍 FA選手の金銭トレードは巨人初、出場機会求める意思尊重

[ 2021年7月5日 05:30 ]

金銭トレードで巨人から楽天に移籍する炭谷
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 巨人・炭谷銀仁朗捕手(33)が、金銭トレードで楽天に移籍すると両球団が4日、発表した。炭谷はこの日、出場選手登録を抹消され、巨人を通じて「ジャイアンツに来て2年半、みんなと戦えたこと、首脳陣の皆さんに指導してもらったことは私にとって宝物です。培ったことを生かして、日本シリーズで戦えるよう頑張ります」とコメントした。5日に入団記者会見を行う。

 異例のFA加入選手のトレード。巨人では初のケースだ。背景には、楽天側と炭谷本人の思惑の一致がある。炭谷は18年オフにFAで巨人に加入した。今季は44試合に出場しているが、大城の台頭があり、先発マスクは18試合と限られている。出場機会を求めて新しい環境で勝負したいという思いが強く、球団首脳陣と話し合いを重ねて移籍を選択した。

 楽天は現在2位から8年ぶりのリーグ制覇を狙う中で、経験豊富な捕手が必要だった。西武に13年間在籍し、パの知識も深い炭谷はうってつけの存在だ。正捕手の太田は3年目の24歳。捕手最年長は31歳の足立で、下妻、田中貴ら、若手の手本になる実績ある捕手を求めた。西武では現役時代の石井監督、涌井、岸らとバッテリーを組んでおり、投手陣からの信頼も厚い。

 巨人にとっては難しい決断だったが、編成権も担う原監督が復帰した19年以降、球界活性化の意図も込めてトレードを活発化させている。原監督は「本人と球団含めて私も、よく話をしました。(最後は)彼の意思を尊重した。巨人軍で得た経験をこれからの野球人生に生かして、野球人としてさらに飛躍してほしい」と語った。

 ◆炭谷 銀仁朗(すみたに・ぎんじろう)1987年(昭62)7月19日生まれ、京都府出身の33歳。平安(現・龍谷大平安)から05年高校生ドラフト1巡目で西武入団。06年に高卒新人捕手では51年ぶりの開幕スタメンマスク。12年から正捕手に定着し、18年オフに巨人にFA移籍した。13、17年WBC日本代表。日本プロ野球選手会の会長を務めている。1メートル81、98キロ。右投げ右打ち。

 ≪FA選手では涌井ら≫FAで加入した選手がその球団からトレードで他球団へ移籍するのは19年オフの中田(ソフトバンク→阪神=無償)、涌井(ロッテ→楽天=金銭)以来。涌井は14年に西武から、中田も同年に中日からFAで移籍していた。シーズン中では97年4月に金村義明(中)が小野和義との1対1の交換で西武へ移籍した例がある。金村は95年にFAで近鉄から加入していた。

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2021年7月5日のニュース