広島・坂倉 ミス取り返した! 2失策も汚名返上決勝打 今季途中までコンビ森下を援護

[ 2021年7月5日 05:30 ]

セ・リーグ   広島4ー3阪神 ( 2021年7月4日    マツダ )

<広・神>5回2死一、三塁、逆転の2点適時二塁打を放ち、ガッツポーズを決める坂倉(撮影・大森 寛明)
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 広島・坂倉将吾捕手(23)が4日の阪神戦で5回に逆転二塁打を放ち、今季2度目の決勝打を決めた。今季途中まで務めていた先発・森下暢仁投手(23)の女房役が一塁手として打撃で援護。2失策や前日の走塁ミスを取り返す「新・5番」の活躍で、4カードぶりの勝ち越しを呼んだ。

  捕手としてのプライドも打球に込めた。2―3の5回2死一、三塁。坂倉は、左腕・岩貞への投手交代を見届けて打席に向かった。

 「向こう(逆方向)も意識しようかなと思っていた打席だった」

 カウント1―1からの直球を捉えた。左翼線への飛球は強く吹く風に乗り、フェンス際で弾んだ。2点二塁打で逆転に成功。これが決勝点となった。

 悪夢を忘れることはない。九里、森下の女房役を務めた昨季はリーグワースト2位となる捕逸6を犯した。その内の5つが15試合の間に集中。「あれだけミスが続くと“また試合に出られなくなる日が来るんだ…”って怖くなってくるんです。すごく追い込まれた。正直しんどかった」。豊富な練習量で恐怖を払しょくして、今季は捕逸2。ただし、守備力の高い石原の台頭により、一塁出場が増加した。6月中旬からは森下とのコンビも解消されて、この日も一塁での先発だった。

 それでも、森下が制球を乱せば一塁からマウンドまで駆け寄って助言を送った。「捕手は3回しか(マウンドに)行けない。一塁なら何度でも行ける」。不慣れな一塁守備では2失策を犯した。3日同戦では零敗につながる走塁ミスもあった。その分も一塁での先発出場で取り返した。

 12試合連続で5番で固定され、その間は46打数17安打(打率・370)と中軸にふさわしい結果を残している。佐々岡監督からも「(4番の)誠也の調子が上がってきた中で5番の重要性は大きい」と期待された。

 殊勲のお立ち台には森下と上がった。森下の先発時は、一塁守備に就きながら配球をイメージしていると言う。「見て盗めとよく言うけど、いいものは利用したい。いつか(森下の女房役に)戻るときがあったときに生かしたい」。本職ではない一塁での出場も大切な財産となっている。(河合 洋介)
 

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2021年7月5日のニュース