大島康徳さん 死の間際までブログを更新 家族、ファンへの感謝と病状を発信し続ける

[ 2021年7月5日 12:21 ]

元プロ野球選手の大島康徳氏
Photo By スポニチ

 現役時代に中日、日本ハムでプレーし、日本ハム監督も務めた野球解説者の大島康徳(おおしま・やすのり)さんが6月30日、大腸がんのため死去した。70歳だった。通夜ならびに葬儀は近親者のみで執り行われた。

 大島さんは2016年10月にステージ4の大腸がんで手術を受けていたことを翌17年2月に自身のブログで公表。肝臓に転移していることも同時に明かした。だが、その後も評論活動を継続するとともに自身のブログを通じて病状の変化や受けた治療法なども詳細に公表。その際、常にユーモアもまじえた明るい文体でつづり、家族やブログ読者に感謝の言葉を欠かさなかった。

 今年3月15日のブログでは正常値にあった白血球の数が減少し、発熱以外で初めて抗がん剤治療が中止になったことを報告。5月29日のブログでは腹水がたまっていることを公表し、6月3日に入院して腹水を抜く処置を受け、6日に退院した。退院後の6日夜には「パンパンだったお腹はずいぶんと楽になりました」とした上で「実は…抜いてもらった腹水は2リットルじゃなくて3リットルだったんです。サバ読みました(笑)すみません」と当初2リットルとしていた腹水の量を明るく“訂正”。12日にはエンゼルスの大谷翔平投手(26)が出場したダイヤモンドバックス戦を放送したNHK・BS1で解説も務めていた。

 だが、解説した翌13日には「体調があまり優れずなかなか元気も戻らず明日の通院を前に少し弱気になっている自分がいます。…らしくないですね」「頑張らないとね。復活しないとね」などとつづり、通院した14日には「採血後少し目眩がしましたし院内の移動も多く疲れるだろうから、と妻が車椅子を借りてきてくれました。ママちゃんありがとうね」と2ショット入りで愛妻に感謝。さらに「病院で点滴をしてもらい少し長くなりました。途中で、次男も病院に来てくれて車椅子を押してくれました。ありがとう」と車椅子を押す次男との2ショット入りで感謝の言葉を重ねた。

 14日夜には自宅で入浴したが、15日には「なかなか、体が思う通りになってくれなくなっているようで…」と告白するとともに、家族が選んでくれた大島さん専用の新しいチェアが届いたことも報告。15日には「痩せちゃったんだよね」とした上で「このコロナ禍で唯一役に立ったのはマスクの着用(笑)マスクを外さなければあまりバレずに過ごせましたから」とユーモアもまじえて明かした。16日には「今の私の体力では長い距離を歩くのは…残念ながら困難」として自宅に車椅子が届いたことも報告。だが、17日に再入院し、新型コロナウイルス感染予防のため家族と直接会えなくなった。

 6月20日には2人の息子とガラス越しに再会を果たしたことを報告し「顔色いいじゃん!元気そうな顔になったじゃん!あとはごはんを食べて体力回復して家に帰るぞ!と、言ってくれました。ありがとう。嬉しかった」と感謝も。その後、家族と一緒にいたいという大島さんの希望で在宅医療に切り替え、24日に退院して自宅療養が続いていた。26日には自宅で転倒し、その際に歯が抜けたことも告白。28日には「ブログを書くことがきつくなってきました。ママちゃん、頼むよ。俺がママちゃんに伝える言葉 ちゃんと、皆に伝えてくれよ」と記し、同日夜には愛妻が「今日も頑張った 皆もよく頑張ったね また明日 おやすみなさい」と大島さんの言葉を代筆し「夫、大島康徳の言葉を皆様にお届けさせて頂きました。これからもお届けします。どうぞよろしくお願い致します。大島康徳 内」とつづられていた。

 6月29日には「人生は選択の連続」という書き出しで「病と共に生きるということは治療に対しても選択の連続だ」「治療をどうするのか?自分の人生をどう生きるのか?どう生きて行きたいのか?その考え方によって受ける治療への決断は変わる。患者自身に決める権利がある。その決断の裏側にはそれまで生きてきたその人の人生があり背負ってきたもの背負っているものがあり一言で語れるほど単純なものではない。何が正解なのか?そんなことはやってみなければ分からない。治療だって人生だって同じだと思う」などと思いが記され、「皆、それぞれの人生をそれぞれ色々なものを背負いながら抱えながら生きている。他人には分かるまい。分からなくて当然だ。そう思ってしまえば気が楽だ。難しいけど(笑)」と、明るく努めた文章もつづった大島さん。最後に愛妻が「この記事は、主人が腹水の治療で入院した頃に書き下書き保存されていたものです。掲載のタイミングを考えていたのかもしれません。本人の許しを得て公開とさせて頂きました」と書き加えた。

 6月29日午後9時28分には新聞広告で見つけたという言葉を引用して「老若男女、皆がもっと笑顔でもっといきいきともっとのびのびと生きられる そんな社会になって欲しい」と記した上で「また明日。おやすみなさい」。最後に愛妻が「皆様、今日もありがとうございました。大島康徳 内」としていたが、これを最後にブログ更新がストップ。これまでブログは一日に何度も更新されていただけに、ファンから心配する声があがっていた。

続きを表示

「始球式」特集記事

「新庄剛志」特集記事

2021年7月5日のニュース