明豊　2年ぶり4強　「つなぎ役」の幸が先頭打者本塁打　「1発で仕留められてよかった」

第93回選抜高校野球大会第9日第3試合　準々決勝   明豊6－4智弁学園 （ 2021年3月29日    甲子園 ）

＜智弁学園・明豊＞　初回無死、明豊・幸（右）は左越えに先頭打者本塁打を放ちベンチのナインと肘タッチ　（撮影・後藤　大輝）
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　第93回選抜高校野球大会第9日は29日、兵庫県西宮市の甲子園球場で準々決勝が行われた。第3試合では、明豊（大分）が智弁学園（奈良）を6－4で下し、2年ぶりの4強に進出した。

　明豊は初回、先頭の幸（ゆき）修也が左翼ポール際へ先制ソロ。17年センバツ決勝の藤原恭大（大阪桐蔭）以来となる1回表の先頭打者本塁打を放った。3回には2番・阿南心雄の右前適時打、4番・黒木日向の中越え適時二塁打でさらに2点を加えた。黒木は5回にも右前2点適時打を放ち、リードを広げた。

　投げては先発の京本真が4四死球と苦しみながらも踏ん張り、3回無失点。4回から2番手の太田虎次朗が登板。2点差まで詰め寄られたが、リードは許さず、7回から財原光優にリレーした。

　守備も援護した。4点リードで迎えた6回には2点を返され、なおも2死一、三塁のピンチで智弁学園の4番・山下陽輔が放った左翼への大飛球を、明豊の左翼・阿南心雄が背走しながら難しい体勢でキャッチ。そのままフェンスに激突した。阿南はしばらく起き上がれなかったが、ボールがおさまったグラブを掲げると場内からは万雷の拍手が送られた。

　試合後、先頭打者弾を放った主将の幸は「ストレートを狙っていた。1発で仕留められてよかった。一つのプレーで流れがかわると思っていた。集中力を全員が持っていたのが勝ちにつながった」と喜んだ。

　川崎絢平監督は「たまたまホームランが出たけど、もともとは2番を打ったり、つなぎ役の選手。次の打席はチームのためにと。きっちり（送りバントが）決まったのでリズムが良かったと思う」と仕事を果たした主将を称えた。智弁学園の西村らに対しては「ストライクを取りに来るボールをどれだけ打てるか。追い込まれるまでに勝負を、追い込まれたら食らいつこうという作戦は練っていた」と振り返った。