高校野球の球数制限 不公平生じるケースも…検討と最善ルール模索を

[ 2021年3月29日 08:45 ]

天理・達

 甲子園で2年ぶりに開催されているセンバツ大会。今大会は初めて「1週間500球」の球数制限が適用される。

 27日までにベスト8が出そろったが、1、2回戦を一人の投手が投げ抜いた高校は天理(奈良)だけ。今秋ドラフト候補に挙がるエース右腕の達孝太が1回戦は161球で1失点完投、2回戦は134球で完封勝利を挙げた。

 元中日の投手だった東海大菅生(東京)の若林弘泰監督は「元々、完投は考えていない。今の時代は一人の投手で上まで勝ち上がるのは難しい」と話す。東海大相模(神奈川)の門馬敬治監督も「球数考えるが、いまのゲームでベストを尽くすこと。後は考えずに今を全力でと思っています」と、継投策でベスト8入りした。

 一昔前は当たり前だったエースの先発完投は、時代ととともに変化している。選手層の薄い公立校では同じレベルで複数投手を整備することは難しいが、選手の健康面を考えれば、球数制限は必要だと思う。一方、組み合わせ抽選でどのブロックに入るかによって、球数制限に引っかかりやすい高校が出るのは、やはり不公平だと感じる。検証しながら、最善のルールとしてほしい。(記者コラム・川島 毅洋)

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2021年3月29日のニュース