奈良V決戦目指し“両雄”決意新た 天理・達「150キロ投げる」 智弁学園も格好の休養日に

[ 2021年3月29日 05:30 ]

<高崎健康福祉大高崎・天理>4回1死一塁、政所の二盗阻止に笑顔でグラブを叩く天理・達(撮影・北條 貴史)

 第93回選抜高校野球大会9日目は28日、天候不良で中止となり、準々決勝4試合は29日に順延となった。30日が休養日で31日が準決勝。準決勝までに2日以上日程が延長されたため当初予定していた準決勝翌日の休養日はなくなり、決勝は4月1日に実施する。天理と智弁学園は大会史上6度目、奈良県勢では史上初となる決勝での同一県勢対決の実現へ向け、調整に努めた。

 勝ち進めば、実現する。大会史上初の決勝での「奈良対決」。常にライバルとして競い合ってきた天理と智弁学園は、頂上対決も見据えてギアを上げた。

 天理の1メートル93のエース・達孝太も気合十分だ。25日の高崎健康福祉大高崎戦で、その時点の大会最速148キロをマークしたが、それを27日に中京大中京・畔柳亨丞に1キロ更新されたのが刺激剤。「超えられた。150キロを自分が投げる」と内山陽斗主将に宣言したという。8強中最多の295球を投げた右腕。ただ登板間隔が空いており、球数制限の影響も少ない。27日に17歳の誕生日を迎えチームメートに祝福されたばかり。完全燃焼に向け、この日も甲子園室内練習場で捕手を立たせて投球練習を行った。

 16年以来5年ぶりの頂点を目指す智弁学園にとっても、雨が追い風になる。連戦の予定が1日空き、格好の休養日をゲット。左腕・西村王雅、右の小畠一心を揃え、ともに状態は良好。小坂将尚監督(43)は「ウチにとって雨は良かった」とポジティブにとらえ、明豊戦に臨む。

 天理・中村良二監督(52)は「智弁学園は秋に比べて数段力をつけている」と警戒を強め、智弁学園・山下陽輔主将は「日本一がチームの目標。天理と当たるとすれば決勝。そのために目の前の相手を倒す」と言い切った。夢の甲子園決戦まで互いに負けられない。 (鈴木 光)

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