佐々岡流“男気”継投にケムナが応えた! 初戦被弾のビシエドに投入 見事リベンジ成功

[ 2021年3月29日 05:30 ]

セ・リーグ   広島0-0中日 ( 2021年3月28日    マツダ )

<広・中(3)>8回に登板したケムナは無失点に抑える (撮影・奥 調)
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 広島は28日の中日戦で、投手4人の無失点リレーで今季初の引き分けに持ち込んだ。佐々岡真司監督(53)は26日の開幕戦で敗戦投手となったケムナ誠投手(25)を8回に投入。前回に逆転被弾したビシエドと再戦させる強気の継投策が奏功した。打線は16残塁と援護できず、開幕3連戦は1勝1敗1分けで終えた。

 両者無得点の8回表。ブルペンには、勝ち継投を担う塹江も大道も控えていた。その状況で前回敗戦投手となったケムナを投入した意図について、佐々岡監督は「もちろん、それ(やり返してほしいという思い)はあった」と認めて続けた。

 「(選択肢は)塹江、ケムナという中で、右(の阿部)からの打順だった。塹江は連投している。ケムナは初戦にやられているので早めに払拭(ふっしょく)できれば…という考えもあった」

 指揮官が思い起こしたのは開幕戦。8回に1点差に迫られ、なおも2死三塁で投入したケムナが、ビシエドに逆転2ランを献上した。2日後の第3戦、同じ8回表は2番・阿部からの攻撃だった。つまり、必ず4番にまで打席が回る状況を踏まえて、ケムナをリベンジに向かわせたのだ。

 先頭の阿部に中前打を許し、1死一塁でビシエドを迎えた。前回の対戦では、外角一辺倒となったところを痛打された。今回、会沢が初球に構えたのは内角。思い切り良く投げ込んだ150キロは、真ん中付近に入っても右直に打ち取った。続く平田の打席で二盗を決められても冷静で、一ゴロとして切り抜けた。

 「2日前のことなので脳裏に浮かんだけど、とにかく強気でいった。この前は踏み込まれたので内角を使っていこうと思った。少し甘く入ったけど、外に投げていたら本塁打になっていたかもしれない。球威で押せたので、結果的にアウトになったのだと思う」

 昨季の救援防御率4・64はリーグワーストだった。一度の失敗を取り返せないようでは、今季も救援陣の改善は望めない。ケムナは言う。「ずっと落ち込んでいても、次の日から試合がある。昨日は昨日、今日は今日と切り替えた」。指揮官も「若い投手が抑えたのは次につながる」とうなずいた。

 ベンチ入りした救援8人で栗林以外は通算0セーブ。実績に関係なく送り出す首脳陣の覚悟を、若手も十分に感じ取っている。 (河合 洋介)

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