すげえ新人だ!広島・森下 10勝&防御率トップに肉薄 次回登板に佐々岡監督「周り見て考える」

[ 2020年11月2日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3-0中日 ( 2020年11月1日    ナゴヤドーム )

<中・広23>8回、無失点に抑え、吠えながらベンチに戻る森下(撮影・椎名 航)
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 広島・森下暢仁投手(23)が新人王に当確ランプをともした。1日の中日戦で8回を7安打零封し、堂々の2桁10勝目。球団新人では14年大瀬良以来となるシーズンの規定投球回にも到達し、防御率を1・907としてトップの中日・大野雄に肉薄だ。打線も大盛、坂倉が適時打を放って右腕を援護。チームは1分けを挟む連勝を5に伸ばした。 

 明大の先輩・柳との息詰まる投手戦。6回2死から許した連打で森下はギアを上げた。1点差で一、三塁のピンチ。高橋を150キロの内角直球で遊ゴロに仕留めると、珍しいガッツポーズに感情を込めた。新人王に当確ランプをともす10勝目。笑顔があふれた。

 「シーズン通して投げ続けられているし、2桁勝てて本当にうれしい。いい投げ合いができたと思います」

 135球の完投で9勝目を挙げた10月24日のDeNA戦から中7日。力のある直球と緩急、変化を巧みに操って軽快に「0」を刻んだ。6回の先頭・大島を遊ゴロに斬り、シーズンの規定投球120回に到達。球団新人では14年の大瀬良以来6年ぶりだった。

 「あと何回投げたら到達するか分かっていたので、そこまでしっかり投げて試合をつくる気持ちでした」

 2大目標に掲げた2桁10勝、規定投球回数をクリアし、チームを5連勝に導く8回無失点の力投。それだけじゃない。防御率は1・907となり、リーグトップの大野雄(1・905)に肉薄。新人王にとどまらず、最優秀防御率の初タイトルすら視界に捉えた。

 「1―0の展開で相当きつい投球だったと思うけど、言うことない。素晴らしい。新人王は確定じゃろ」。佐々岡監督は、疲労が蓄積するシーズン終盤でなお快投を続ける黄金ルーキーを絶賛。冠が懸かる次回登板については「周りを見て考える」と明言を避けた。

 タイトルを争う大野雄は3日からのDeNA3連戦で先発予定。その結果を踏まえて、10日のヤクルト戦(神宮)か、11日の今季最終・中日戦(マツダ)の登板を検討することになりそうだ。

 「獲りたい気持ちはありますが、自分が任されたところでしっかり投げたいです」

 最優秀新人と最優秀防御率をダブルで獲得すれば、99年の巨人・上原浩治以来21年ぶりの快挙。プロの荒波を華麗に乗りこなす森下が成し遂げても驚きには値しない。 (江尾 卓也)

 《大瀬良以来の規定到達》森下(広)が8回無失点で10勝目。シーズンの規定投球回をクリアし、防御率トップの大野雄(中)に0.002差の2位に迫った。広島の新人で規定以上は13人目、2桁勝利は9人目(86年長冨は規定未満で10勝)で、ともに14年の大瀬良以来。セの新人で防御率1点台なら12年の野村(1.98)以来になるが、2位でタイトルを逃しており森下には球団新人初の快挙に期待がかかる。最優秀防御率&新人王なら、両リーグを通じて99年上原浩治(巨)以来21年ぶりとなる。

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