中日・吉見 潔く引退決意「若い投手育ち、気持ちまいってきた」 減俸での契約や他球団移籍の道も断念

[ 2020年11月2日 05:30 ]

<中日・吉見練習>引退報道から一夜明け、関係者と握手する吉見(撮影・椎名 航)
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 中日の吉見一起投手(36)が1日、今季限りで現役を引退することを発表した。ナゴヤ球場での2軍練習後、引退理由を自らの口で説明した。

 「自分の立ち位置を見たり、客観的に見て自分がプレーしているのを想像すると、次のステップに行った方がいいかなと決めた」

 昨季は1勝に終わり背水の覚悟で挑んだ今季はフォームを大改造。開幕ローテーション入りを果たしたが1勝2敗で2軍落ち。9月13日のDeNA戦で復帰も5回途中2失点で翌14日に再び降格すると、2軍で好投しても1軍から声はかからなかった。

 球団からは減額制限を超える大幅な減俸を提示された上で、来季契約の話もあった。他球団での挑戦も頭によぎったが「若い投手が育ってきて気持ち的にまいってきた」と10月30日に決断。今後は球団を離れ、外から野球を勉強し直すという。

 本拠地最終戦の6日ヤクルト戦で引退セレモニーを行うことも決定。「家族に見せられる(ユニホーム)姿は最後。応援していただけた方にも最後。投げてお礼をしたい」。「精密機械」と評された抜群の制球力も武器に最多勝2度など中日黄金期を支えたが「正直、ストライクが入るかな」と複雑な心境を明かした。ドラゴンズのために腕を振り続けた15年間。一時代を築いた男がグラウンドを去る。 (徳原 麗奈)

 ◆吉見 一起(よしみ・かずき)1984年(昭59)9月19日生まれ、京都府福知山市出身の36歳。金光大阪3年春に甲子園出場。トヨタ自動車に進み、05年希望枠で中日入り。先発に定着した09年に最多勝。11年は最多勝と最優秀防御率の2冠でリーグVに貢献。10、12、13年に開幕投手。12、13年は中日選手会長を務めた。1メートル82、90キロ。右投げ右打ち。

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